インサイドセールス成功に必要なポイントを網羅!設定すべきKPI 5選も紹介!

インサイドセールスとは、電話やメールで見込み顧客(リード)とコミュニケーションをとることで、信頼関係を築きつつ購買意欲を刺激する営業手法を指します。
電話やメールによるインサイドセールスによってオフィスから効果的に購買意欲を育てられるため、その効果が認められBtoBマーケティングの領域で高く評価され注目を集めています。
しかし、日本国内ではまだまだ対面営業が主流なため、インサイドセールス導入へハードルを感じる企業は少なくありません。
また、導入を検討している場合でも、インサイドセールス部門の立ち上げや環境構築方法について、明確な方針を持っていない場合も見受けられます。
そこでこの記事では、インサイドセールス導入のメリットや立ち上げ方法、設定すべきKPI、導入すべきツールなどについて解説していきます。
当記事を通してインサイドセールスの効果を知り、導入のきっかけにしていただければと思います。

目次

1.インサイドセールスの概要

1-1.インサイドセールスとは?

インサイドセールスは、見込み顧客(リード)の元に足を運ばずメールや電話といった手段で顧客に連絡し、コミュニケーションをとる営業活動です。
見込み顧客とのコミュニケーションを通して、購買意欲を育てるのが主な業務内容になります。
移動せずに会社から見込み顧客に連絡できるため、移動時間を省いたスピード感のある効率的な営業活動が可能です。

1-2.インサイドセールスの役割

インサイドセールスの主な役割は、マーケティングチームが集めた有望なリード(ホットリード)の見込み度合いをさらに高め、訪問営業チーム(フィールドセールス)に引き渡すことです。
従来の営業手法では、営業担当者がリードの獲得からクロージング、フォローアップ、アップセル、クロスセルに至るまで、全てのコミュニケーションを担当していました。
このやり方では、購買意欲が低く成約に至る可能性のない見込み顧客も訪問することになり、営業効率が非常に悪いのが問題点でした。
そこで、インサイドセールスを通して質の高いリードのみを厳選しフィールドセールスに引き渡すことで、購買に至る可能性の高い見込み顧客のみにアプローチできるようになります。

1-3.インサイドセールス導入のメリット

インサイドセールス導入には以下のように複数のメリットがあり、従来の営業方法を大きく上回っています。

  • 営業活動の効率化
  • 営業範囲の拡大
  • コストの削減

営業活動の効率化の面では、インサイドセールスがオフィスから見込み顧客に連絡をとるため、移動時間が不要になります。
そのため、担当者は短期間で多くの見込み顧客にアプローチすることができ、営業効率が大幅にアップします。

営業範囲については、北海道から沖縄までの日本全国の見込み顧客にリーチでき、コンタクトできる範囲を大幅に増やすことが可能です。
従来の営業方法では、交通機関や車で移動できる範囲のみが商圏となることが一般的でしたが、インサイドセールスの導入で営業の範囲が大幅に広がりました。

また、コスト削減についてはインサイドセールスを活用することで、一人の担当者が複数の見込み顧客を効率的に管理できます。その結果、少人数のチームでも大規模な営業活動を行い、売上を大幅に伸ばすことが可能になります。

これらの利点により、インサイドセールスは営業効率を大幅にアップさせる手段として、近年ますます注目を集めています。

2.インサイドセールスの立ち上げ方法

2-1.メンバーの確保

インサイドセールスチームを立ち上げるためには、適任のスタッフを選び、必要なメンバーを確保することが最初のステップです。
インサイドセールスは効率的に複数の見込み顧客を担当できるため、必ずしも大規模なチームを必要としません。既存の営業部門から適切な人材を選び出し、新しい部門を形成するのが良いでしょう。また、マーケティング担当者の中から商品販売の全体像を把握している人材を選ぶという選択肢もあります。重要なのは、自社製品に精通し、見込み顧客と効果的にコミュニケーションが取れる人材を選出することです。

2-2.KPIを設定する

続いてKPIを設定する必要があります。
KPIについては、各プロセスの達成度合いをはかるために、アポイント数や商談に至った件数などを設定するのが一般的です。

KPI設定の際には、いうまでもなく売り上げを最大化できるように設定すべきです。しかし、量を追うと質が下がり、質を求めると量の担保が難しくなるジレンマに直面します。
多くの見込み顧客にアプローチするのは重要ですが、それによりコミュニケーションが雑になる可能性があります。

一方、一人ひとりと丁寧に接することを重視しすぎると、数をこなせなくなってしまいます。
そこで、一番優先順位の高いものは何かを検討し、量と質のバランスを考慮したKPIの設定が求められます。

2-3.管理ツールの選定

KPIを設定したら、次に過去の連絡履歴などを管理するツールの導入を進めます。
インサイドセールスでは、過去の見込み顧客との接触回数やコンタクト内容をデータとして蓄えることで、その後のアプローチの戦略を練る材料にできます。
また、ツールを活用することで、チームや会社全体でやり取りの履歴を確認でき、各部門が連携してアプローチの計画を立てやすくなります。

インサイドセールスでは、主にMA・SFA・WEB商談ツールの3種類が用いられます。

  • MA(マーケティングオートメーション)

MAは集客・育成(ナーチャリング)・選別(クオリフィケーション)の3つを自動化し、見込み顧客の購買意欲を自動で育成できるツールです。
MAを活用することで、顧客の行動履歴を分析し関心度の高い見込み顧客を選別できます。
これにより、成約に結びつく可能性の高いホットなリードに対して、優先的にアプローチすることが可能になります。

  • SFA

SFAはセールスフォースオートメーションの略で、商談状況の共有や効率化を目的とするツールです。営業活動に関するデータを一元管理し、商談の進捗や成約率の可視化や、営業プロセスの標準化が可能です。

  • WEB商談ツール

オンライン商談ツールとは、インターネットを活用し、パソコンやスマホを通じて見込み顧客と商談するためのツールです。
カメラを使用して顔を見ながらコミュニケーションを取り、画面共有機能で資料を提示しながら話すことができます。
また、自動的に商談内容をAIが記録する機能が搭載され、自動で議事録を作ることができるツールもあります。

これらのツールを導入することで、インサイドセールスの業務効率を向上することができますので、積極的に導入するといいと思いますが、予算投下が難しい場合は、無償や少額で始められるZoom、Microsoft Teams、Google Meetなどでスタートしても問題ありません。

2-4.成果を出すまでのシナリオを設計する

ツール導入が完了したら、カスタマージャーニーを設定し見込み顧客にアプローチするための全体像を設定します。
カスタマージャーニーを定義し、「いつ」「だれが」「何(どの情報)を」「どの形態(チャネル)で」かを設計します。

上記図のように、見込み顧客が自社製品を認知し成約に至るまでの全体像を把握します。

その上で、マーケティングのプロセスにカスタマージャーニーをどのように組み込むかや、どのような情報を提供すべきかを検討し、実行に移しましょう。

2-5.PDCAを回して成果の改善を図る

インサイドセールスは継続的な取り組みなので、PDCAサイクルを回しながらアプローチを改善する必要があります。
実際の営業活動を開始すると、計画通りに進まないことも多くなります。
一例として、資料請求後のフォローアップが途絶えたり、電話連絡がアポイントメントに結びつかないなどの課題が挙げられます。

こういった場合にはアプローチのやり方やホワイトペーパーの内容改善等の対策によって、営業の品質を向上させることを検討したほうが良いです。
継続的な改善活動を通じて、インサイドセールスの効果を最大化しましょう。

3.インサイドセールスで設定すべきKPI

3-1.架電数

どれだけたくさん電話をかけたかはまずは重要です
架電数はインサイドセールスでよく設定されるKPIの一つです。
インサイドセールスの主な役割は、ホットリードをフィールドセールスにトスアップすることですが、そのためにはある程度は数を打つ必要があります。
そのため、一定以上の架電数をKPIにすることは結果を出す上で効果的です。
ただし、一人一人の見込み顧客とのコミュニケーションの質も重要なため、架電数を無理に高めることは避けるべきです。

量と質のバランスを考慮し、適切な架電数を目指すようにしましょう。

3-2.メール開封率

インサイドセールスの一環としてメール配信を活用する場合は、メールの開封率をKPIとして設定するのも良いです。
メールの開封率はタイトルや送付時間、送付ターゲット等によって変動するため、適切なターゲットを設定することで大幅に営業のパフォーマンス改善を図ることができます。
反対に、漠然とメール配信を行うだけでは効果的な営業活動を行えない可能性が高いため、開封率をKPIとして設定することが推奨されます。

3-3.商談数・商談化率

商談数・商談化率は、インサイドセールスにおいて特に重要な指標です。見込み顧客とのコミュニケーションを通して商談につなげることがインサイドセールスの主要な役割だからです。
インサイドセールスはこれまでのメール配信や架電の履歴を追いながら、獲得したリードのうちどの程度が商談につながっているかを検証する必要があります。
もしインサイドセールスの結果が設定したKPIを大幅に下回る場合は、メールや電話の品質、ターゲットのセグメントが適切でない可能性があります。

3-4.受注数・受注率

受注数や受注率の向上は売上拡大に直結するため、インサイドセールス部門でもよくKPIにされます。また、営業の最終目標であるため、KGIとして設定される場合もあります。
一般的にインサイドセールスの役割は見込み顧客を商談につなげることですが、受注数や受注率をKPIにする場合は、アップセルや契約継続、新規顧客の受注などを含めることができます。

3-5.受注額

インサイドセールス部門を経由して成約に結びついた案件の受注額をKPIに設定することも有効です。インサイドセールスは直接訪問でのクロージングを行なうわけではありませんが、成約に結びついた案件の受注額を積算することで部門の貢献度を測定することができます。

4.インサイドセールスの具体的なやり方

4-1.架電リストを用意する

インサイドセールスを行う際には、コンタクトするための架電リストを用意します。
このとき、品質の低いリストを用意してしまうと、インサイドセールスの効果が低下しますので、品質の高いリードに絞った方が良いでしょう。
過去にアプローチしても成約に至らなかった見込み顧客や、資料をダウンロードした人、配信したメールの開封率が高い人など、自社製品に興味を持っているリストを集めることをおすすめします。

4-2.トークスクリプトを準備する

架電リストができたら、トークスクリプトを作成し、どのような内容をどの順番で話すかを計画します。事前に話す内容を決め、相手の興味を引くようにすることで、商談につながる可能性が高まります。
また、相手は忙しいので要件を簡潔に伝えるためにも、事前にトーク内容を事前に計画することが重要です。トークスクリプトは、相手の反応を見ながら内容を改善していくものですので、相手の反応や営業成績を見ながらブラッシュアップを続ける必要があります。

4-3.相手のニーズに沿った提案を行う

相手の話を聞いている最中は見込み顧客のニーズや課題を意識し、それを解決できる提案を心がけましょう。
営業に不慣れで緊張しながら電話をしている場合、スクリプトを読むだけで精一杯になりがちですが、そうなると一方的なセールストークになりがちです。
その結果、強引な売り込みと受け取られ、信頼を失うことになりかねません。
そのため、用意したスクリプトに沿ってトークを進めつつも相手の話をしっかりと聞き、ニーズを探りながら会話を進めるようにしましょう。

5.インサイドセールスを成功させるツール

インサイドセールスでは、上図のようにマーケティングや商談の段階によって活用すべきツールが異なります。

MAツール・SFAツール・WEB商談ツールの3種類を利用することが多いと思いますので、以下では、それぞれのおすすめツールを紹介します。

5-1.MAツール

Account Engagement(Salesforce)

https://www.salesforce.com/jp/products/marketing-cloud/marketing-automation/

Account Engagementは、SalesforceがリリースするMAツールです。新規リードの獲得・見込み顧客の育成・リピート率向上など、マーケティングの多様な目的に対応しています。
リードをスコアリングすることで、最も有望な見込み顧客を効率的に特定し、優先的にフォローアップすることが可能です。
また、見込み顧客ごとにカスタマイズされたコミュニケーションを実施できるため、よりパーソナライズされた関係構築が可能になります。
また、マーケティングチームが入力した情報がツール内で管理されているため、営業チームが見込み顧客との会話で主導権を握り、スムーズに営業担当者に引き継ぐことができます。

SATORI

https://satori.marketing/

SATORIは1,500社以上に導入されている、日本国内産のMAツールです。
従来のMAツールとは異なり、個人情報が分からない相手に対しても、ナーチャリングを施すことができます。
具体的には、ウェブサイトの訪問者の行動を追跡し、同意を得たユーザーにプッシュ通知を送る機能や、訪問者の行動に基づいてコンテンツをパーソナライズする機能が備わっています。
またサポートも充実しており、オンラインヘルプやオンラインサポートのみならず、セミナー動画やユーザー会の開催、担当者による運用支援まで、様々なサービスが提供されています。

Marketo Engage(マルケト エンゲージ )

https://business.adobe.com/jp/products/marketo/adobe-marketo.html

Marketo Engageはアドビ株式会社が提供するMAツールで、世界39か国以上の企業で導入されており、世界的なシェアを誇っています。
電子メールやソーシャルメディア、ペイドメディア、SMS、イベントなどあらゆるチャネルを通じた、クロスチャネルマーケティングオートメーションが大きな特徴です。
これにより、顧客がどこにいても関係なく、アプローチできナーチャリングを施すことが可能です。
また、顧客が特定の行動を取った際に、それを検知して適切な行動に応じてマーケティングメッセージを送ることで、エンゲージメントを高める機能も備わっています。

5-2.SFAツール

Sales Cloud(Salesforce)

https://www.salesforce.com/jp/products/sales/

Sales CloudはSalesforce社がリリースする、世界シェアNo.1の営業ソリューションです。
AI、データ分析、CRMとの連携などによって、営業活動をスマートかつ迅速に進めることができ、あらゆる販売チャネルの売上アップや、短期間での収益向上が実現できます。
また、顧客情報を分析することで見込み顧客のインサイトを導き出せるので、効果的なマーケティング戦略を立てることができます。
料金プランは複数用意されており、スターターからアンリミテッドまでの範囲で、各企業のニーズに合わせた選択が可能です。

SHANONMARKETINGPLATFORM

https://www.shanon.co.jp/products/

SHANONMARKETINGPLATFORMはMAとSFAの機能が一体化したツールです。
ウェブサイトのフォーム作成、eメール配信、リード管理など、通常は手作業で時間がかかる業務を自動化し、マーケティングの効率を向上させます。
また、商談管理機能がついており、商談のリスト化、商談状況の可視化、活動履歴の表示が可能です。
さらに、顧客のオンライン・オフライン両方の行動履歴がわかるので、見込み顧客の興味・関心をとらえた上でアプローチでき、インサイドセールスにおいて効果的なアプローチが可能になります。
導入から運用までサポートや運用代行などの支援が充実しているので、ノウハウがなくても導入しやすいのが特徴です。
また、利用者1名につき月額6,000円から利用できる、導入コストの低さも魅力の一つと言えます。

Sales Hub

https://www.hubspot.jp/products/sales

Sales HubはHubSpotが提供するSFAツールです。
AIによる高機能なオートメーション化や、Eメールテンプレートや見積もり作成などを備えています。これにより、魅力的なEメールや訴求力のあるCTAを作成可能でき、案件創出に役立てることができます。
モバイルアプリも用意されており、営業担当者は外出中でも商談履歴の確認や記録ができ、見込み顧客とのコミュニケーションを円滑に進めることが可能です。
また、Hubspotの提供するMAやCRMと連携できるため、マーケティングと営業のシナジーが実現し、より精度の高い営業を行えるようになります。
Sales Hubは無料でエディションが用意されており、コストがかからないので、まずは使い心地を試してみるといいでしょう。

5-3.WEB商談ツール

ベルフェイス

https://bell-face.com/

ベルフェイスは銀行・証券リテール営業シェアNo.1の電話面談システムです。ネットが苦手でも使いやすく、セキュリティレベルが高いことから、発売から5年で3,600社以上の企業に導入され多くの企業から支持されています。
通話の際は通話相手はアプリのインストール等は不要で、接続ボタンを押すだけで通話できます。WEBサイト上に接続ボタンを設置することもできるので、気軽に見込み顧客と接点を持ちやすいのが特徴的です。
また、ホスト側のみにトークスクリプトを表示する機能により、相手に気が付かれることなく成果の出やすいスムーズなトークを行うことが可能となっています。
さらに、CRMとベルフェイスは連携することができ、商談記録についてもCRM上で一元管理が可能です。

B-Room(ブルーム)

https://www.broom-online.jp/

B-Room(ブルーム)は、オンラインで訪問と変わらない営業活動を行えることを目的に開発されたオンライン商談ツールです。
画質と音質にこだわって作られており、高画質な環境で相手の表情がはっきりと見える環境で話せるので、リアルに対面しているのに近い臨場感での会話が可能です。
また、最高で4者から同時接続できるのもB-Roomの特徴で、異なる場所にいる自社の上席者・専門職・トップセールスなどの同席ができ、複数人数での商談にも使いやすい特徴があります。
8桁の番号を相手に伝えるだけでオンライン商談を始められる独自システムが備わっており、相手の連絡先が不明でも成約につなげる機会を作れるのもB-Roomの強みと言えるでしょう。

VCRM(ブイシーアールエム)

https://www.bluetec.co.jp/vcrm/

VCRM(ブイシーアールエム)は、業界最安値級で利用できるオンライン商談システムです。月額5,000円から導入でき、たとえば10人で使った場合は一人当たり月500円で使える計算になります。画面のリアルタイム共有や録画機能など、営業に必要な一通りの機能が備わっているので、安価にオンライン商談システムを導入したい場合に最適なツールといえるでしょう。無料でのトライアルが可能なので、本格導入の前に無料で使用感を確かめられるのもVCRM(ブイシーアールエム)のメリットの一つです。

6.インサイドセールスの成功事例

6-1.Sansan株式会社

https://jp.corp-sansan.com/

Sansan株式会社は、2011年にインサイドセールスを導入し、営業の一環として取り入れています。当初、同社はKPIの設定方法、データベースの連携不足、受電対応の負担といった問題に直面し、期待した成果を得られていませんでした。

同社ではこれらの問題を解決するために注力し、課題をクリアすることでインサイドセールスの成績を向上させています。

KPIに関しては、マーケティング、インサイドセールス、営業の各部門が異なる目標を設定していたことが、全体最適を目指す上で障壁となっていました。
この問題の解決のために、各部門でKPIを設定するのをやめ、案件の受注金額の合計値である受注貢献額をインサイドセールスの第一指標に設定することで、組織全体の調和を図りました。

データベースの問題については、部門間でメールアドレスを用いてデータベースを同期することで問題解決に成功しています。

また受電対応の負担に関しては、自動応答装置を導入しました。これにより、問い合わせがあった際に自動音声で要件を選択し、適切な部署につなぐシステムを実装。インサイドセールスの負荷を三分の一に軽減することができました。

これらの改善策により、Sansanはインサイドセールスを効果的に活用し、業務の効率化と成果の向上を実現しています。

参照:https://www.salesforce.com/jp/blog/inside-sales-jirei-vol1/

6-2.株式会社カオナビ

https://corp.kaonavi.jp/

株式会社カオナビは自社CRMの販売を行っている会社です。

以前は広告宣伝を通じてリードを獲得し、それを営業担当者に引き渡してクロージングを試みていました。しかし、これが実際の受注につながらず、成約率の低さが課題となっていました。

さらに、営業手順が統一されておらず、それぞれの担当者に任せきりだったので、営業プロセスが統一されておらず成約率を高めるためのPDCAサイクルを回せないのも問題でした。

こういった状況の改善のために、同社ではMA(マーケティングオートメーション)を導入し、インサイドセールス部門を新たに立ち上げます。MAツールで得た見込み顧客の行動履歴を確認し、適切なアプローチによって自社製品の購買意欲を高める戦略を採用しました。

その上で、獲得したリードに対して積極的に電話連絡を行い、より高い精度でフィールドセールスに引き渡せるよう努めました。

これらの取り組みにより、現在では3名から成るインサイドセールスチームが、1カ月に100件以上の有効案件を創出できる環境の構築に成功しています。

参照:https://business.adobe.com/jp/customer-success-stories/kaonavi-case-study.html

6-3.パイオニア株式会社

https://jpn.pioneer/ja/

パイオニア株式会社では、従来、マーケティングを通じて関心が高まった見込み客を直接フィールドセールスに引き渡して対応していました。

インサイドセールス組織は存在していましたが、担当者が1名のみで、問い合わせの整理に留まる役割しか果たしていませんでした。

しかし、業績目標の上昇に伴い、顧客からの問い合わせから見込み客の対応までをさばき切れず、インサイドセールスの組織が成熟していない部分がボトルネックになってしまったのです。

そこで、同社はインサイドセールスの再構築に着手しました。見込み顧客の増加率を見ながら外部パートナーの力も借り、インサイドセールスの人数の増員し組織体制を構築します。

インサイドセールスが見込み顧客の購買意欲を高め、フィールドセールスにスムーズに引き渡す体制を作り上げました。

その結果、商談化率が290%を超える大幅な向上を達成。売上創出の機会を大幅に増加させることに成功し、インサイドセールス部門の再構築が目に見える成果を上げています。

参照:https://saleszine.jp/article/detail/3353

まとめ

インサイドセールスを有効活用することで、業務効率化やコスト削減を図ることができます。
インサイドセールスによって購買意欲が高まった見込み顧客を厳選し、フィールドセールス(営業)につなげることで、成約につながる可能性の高い見込み顧客のみにアプローチできるからです。
営業の世界では常に変化や成長を求められるため、インサイドセールスの重要性は今後ますます高まると予想されます。
既に導入を進めている企業が多い現状を考えると、導入を見送っている企業は営業成績で差をつけられるリスクがあります。

ただし、部署を設け人員を配置するだけでは、インサイドセールスは機能しません。
目的を明確にした上で適切なステップで部署を立ち上げ、KPIを設定し、ツールを導入して適切な環境を整えることで、インサイドセールスを適切に自社に導入することができます。
ぜひ本記事を参考に、戦略的にインサイドセールスを自社の営業に導入し、業界内で競争力を保つための体制を整えていただければ幸いです。

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