【実践】マーケティングオートメーションの活用術。MAツール活用の成功事例も解説

現在、BtoBマーケティングの領域ではマーケティングオートメーション(MA)が注目を集め、多くの企業によって導入されています。

マーケティングオートメーション(MA)ツールの活用によって、見込みの獲得や教育、成約率の高い見込み顧客の選定などを自動化し、マーケティングを効率的に行うことができるようになります。

実際に多くの企業がMAツールの効果的な活用により、マーケティングを効率化し売り上げを伸ばすことに成功しています。しかし、一方でマーケティングオートメーションという単語は知っているものの、ツールの導入によって何ができるのかイメージできていない方も多いのが事実です。

そこでこの記事では、マーケティングオートメーションとは何かをわかりやすく説明した上で、導入のメリットやMAツールの機能、導入手順などについて詳しく解説していきます。

この記事を読んでいただければ、MAツール導入によって自社のビジネスにどのような変化が起こるのかについて、ご理解いただけるようになるでしょう。ぜひ最後までお目通しください。

目次

1.マーケティングオートメーション(MA)について

1-1.マーケティングオートメーション(MA)とは?わかりやすく説明!

マーケティングオートメーション(MA)とは、マーケティング活動を自動化するツールやプラットフォームを指す言葉で、頭文字を取ってMA(Marketing Automation)と呼ばれます。

見込み顧客の中には、現在の購買意欲が低くても、将来的に購入する可能性がある方がいます。見込み顧客のリストが、数千人〜数万人以上など多数存在する場合、人的リソースのみで将来的に購入する可能性がある顧客までを適切にフォローするのは、現実的ではありません。

そこで、マーケティングオートメーションの出番です。まずは、MAツールを利用して見込み顧客リストを管理します。そして顧客の属性や商品購入の検討状況(スコアリングと言います)にマッチしたメールを送信し、顧客の商品理解を進めてもらいます(顧客育成と言います)。「このような顧客には、このようなメールを送る」というように、顧客ごとに適切にフォローすることで、マーケティング活動を自動化・省力化・効率化することができます。これが、マーケティングオートメーションです。

1-2.マーケティングオートメーション(MA)が求められる理由

1-2-1.顧客へのアプローチ方法の変化

従来のBtoBマーケティングにおいては、顧客へのアプローチは主に訪問営業やテレマーケティングが中心でした。

現在では、インターネットの進化により、自社メディア・動画・メールなどのプラットフォームを通じて顧客との関わりを持つ機会が増えてきました。

この変化に伴い、私たちの商品やサービスの情報を潜在的な顧客に伝える際、どのターゲット層にどのチャネルを通じて情報を伝えるかがより一層重要になっています。

こうした背景から、多様化した顧客へのアプローチ手段を効率的に管理するためのツールとして、マーケティングオートメーション(MA)の必要性が高まっています。

1-2-2.マーケティングの効果測定および最適化

マーケティングオートメーション(MA)の導入により、マーケティング活動の効果をリアルタイムで測定できるようになります。

たとえば、広告のクリック数・ウェブサイトの訪問者数・コンバージョン率・メールの開封率などの指標を即座に把握することができます。

このような指標によりマーケティング活動の成果を把握でき、ボトルネックの発見も容易になります。改善の余地がある箇所を特定し、マーケティング活動を最適化することでROIの向上を実現しやすくなります。

1-3.マーケティングオートメーション(MA)導入のメリット

1-3-1.マーケティングを効率化できる

マーケティングの効率化は、マーケティングオートメーション(MA)の最大のメリットの一つです。

BtoBのマーケティングにおいては、企業の規模によってはリード数が膨大になることがあり、人的に管理するのは難しい場合があります。

そういった場合でも、マーケティングオートメーション(MA)を活用すれば、顧客の管理や育成を自動化できるため、少ない社員数でも無理なく顧客を管理できるようになります。

また、見込み顧客のエンゲージメントの度合いを評価する仕組みの精度が高ければ、購入確度の高い見込み顧客を効率よく絞り込めるようになり、業績アップにも寄与します。

1-3-2.顧客によって対応を変更できる

MAツールの利用により、見込み顧客の購買意欲に応じて対応を変更できます。

見込み顧客の行動パターンや閲覧履歴をもとに、エンゲージメントの高さを分析し、購買意欲の高さに応じてセグメントすることができます。

こうすることで、その顧客やセグメントに合わせた効果的なメッセージを発信できるようになり、リード全体に一斉にメッセージを配信するのと比較して、高い結果を出しやすくなります。

さらに、MAツールはターゲティングの自動化やABテストの実施など多岐にわたる機能を持っており、これによりマーケティング活動の効率化と最適化を進めることができます。

1-3-3.顧客リストを最大限活用できる

MAツール導入の大きなメリットの一つは、自社の顧客リスト(ハウスリード)を最大限に活用できることです。従来の営業では、購買意欲が高い見込み顧客のみに焦点を当てていたため、多くの見込み顧客を休眠状態にしてりまうことがありました。

しかし、MAツールを活用することで、見込み顧客のスコアリングやセグメント分けが自動的に行われ、メール配信などを通じてナーチャリングを効果的に進めることができるようになりました。

これにより、潜在的な顧客(コールドリード)を有望な見込み客(ホットリード)に変え、売上を向上させることが可能になっています。

1-4.マーケティングオートメーション(MA)の機能を紹介

1-4-1.顧客管理機能

MAツールは、以下のように様々な経路で獲得した顧客リスト(ハウスリードと言います)を一元管理できます。

  • 展示会やイベントで交換した名刺
  • SNSやオンライン広告から得た情報
  • 過去の購入者の連絡先

こういった情報は獲得経路が異なるため、従来は管理が営業担当者に属人化しやすかったのですが、MAツールを使えばリードをタグ付けし効率的に管理できます。

リードを一元管理し、社員が獲得したリードに対してナーチャリング施策を実施することで、ハウスリードを最大限活用できます。

1-4-2.スコアリング機能

スコアリング機能とは顧客の各行動に点数を割り当て、その合計点に基づいてリードの購買意欲の高さを評価する機能のことです。

たとえば、「特定の商品ページを訪問したら○○点」「資料をダウンロードしたら○○点」という具合に行動に得点を設定し、リードの合計点を算出します。

点数が高いリードが見込み度が高い顧客(ホットリード)というわけです。逆に点数が低いリードをコールドリードというように呼ぶこともあります。

この機能により、顧客の購買意欲を自動的に把握し、それぞれの顧客に最適なアプローチを計画できるようになります。

1-4-3.シナリオ作成機能

シナリオ作成機能とは、リードの特定の動きに応じて、自動で実行されるアクションを設定する機能のことです。

具体例として「資料をダウンロードした人に特別なメルマガを自動で送る」や「カートに商品を入れたが購入しなかったユーザーにリマインドメールを自動送信する」などが挙げられます。

また、メールにアクションしなかったリードに対し、訴求内容が異なるメールを配信して、顧客が反応する訴求内容を探ることができます。

さらに、スコアリング機能と組み合わせて、購買意欲に応じたメールを配信することも可能です。

1-4-4.メール配信機能

すでに触れたように、MAツールではメール配信が可能です。単にメールをリードに送るだけの場合、安価なメール配信サービスを利用することで十分です。MAツールのスコアリング機能やシナリオ作成機能を活用することで、顧客のセグメントに合わせたメール配信が実現でき、購買意欲を効率的に高めることができます。

1-4-5.ランディングページ(LP)作成機能

MAツールには、広告をクリックした顧客がアクセスするページである、ランディングページ(LP)を作成する機能も備わっています。LPは商品販売や資料ダウンロード案内に活用可能で、ツールで簡単に作成できることでリード獲得しやすくなります。

1-4-6.フォーム作成・運用機能

MAツールの大きな特徴の一つとして、セミナー申込みやお問い合わせ、アンケートなどのタイミングでWebフォームを簡単に作成できることが挙げられます。

通常、フォームの作成にはHTMLやCSSの専門知識が必要ですが、MAツールを活用することでこれらの知識は不要となります。作成したフォームはMAツールのデータベースと自動的に連携されますので、とても便利です。

見込み顧客が入力・送信された情報が自動的に登録されるため、別途顧客情報を登録する手間が省け業務効率が向上します。

1-4-7.アクセス解析・行動解析機能

アクセスや行動の解析も、MAツールに備わった大切な機能の一つです。

獲得したリードのすべてが売り上げにつながることはなく、リードナーチャリングによって購入の意欲が十分に高まらず、成約に至らないケースもあります。

このときに解析機能を使えば、購入に至らなかった見込み顧客の業種や企業規模、開いたページと開いていないページが分かります。

これを活用し、リードが購入に至らなかった理由を分析することで、今後の改善につなげやすくなります。

1-4-8.広告連携機能

広告を一元管理し、クリック率やクリックした人の属性といったデータを分析できるのも、MAツールの特徴です。

SNS広告やリスティング広告、アドネットワークなど様々な広告を出稿すると、管理が難しく混乱しがちです。広告を管理する機能が備わっているツールもあり、利用することで広告のパフォーマンスが一目で分かります。

2.マーケティングオートメーション(MA)の導入手順

2-1.課題を明らかにし目標を決める

まずは自社の課題を明確にし、MAツール導入による目標を設定します。

「リードの獲得率が低い」「リードのフォローに手が回っていない」など、具体的なマーケティング上の課題を洗い出していきます。

続いて、その課題を解決し売上アップを達成するため、SMARTの法則を使って目標を設定しましょう。

2-2.自社の見込み顧客の情報を整理する

目標設定が完了したら、続いて自社の見込み顧客の情報を整理しましょう。

見込み顧客の連絡先情報が整理されていなかったり、各営業担当者に属人化していたりするのはよくあるパターンです。

この状態ではリードを有効活用できないので、これらの情報を集め、MAツール導入後に管理できるよう準備しましょう。

集めた顧客データに対しては、情報の抜け漏れや重複、誤記のデータクレンジングを行い情報をデータ化します。

自社でのデータクレンジングが難しい場合は、外部業者に委託し顧客データを整理することも検討してみましょう。

2-3.見込み顧客のペルソナを設定する

続いて、見込み顧客のペルソナを設定します。

ペルソナは、ターゲットとなる典型的な顧客のプロフィールを示すもので、BtoBの場合ペルソナは自社のメッセージを受け取る企業の所属者となります。

その際、名前・年齢・性別だけでなく、役職・決裁権の有無・チームでの業務実施など、企業内の立場も考慮してペルソナを設定すると良いでしょう。

2-4.カスタマージャーニーを作成する

次にカスタマージャーニーを設定しましょう。カスタマージャーニーとは、顧客が製品やサービスを購入するまでの、行動や感情の変化をマッピングしたものです。

設定することで見込み顧客の購買意欲の段階が明確になり、届けるべきメッセージの内容も自然とイメージしやすくなります。

ただしBtoBの場合、購入の検討に複数の人が関与することが多く、購入を検討する人と意思決定者が異なることもあります。その結果、認知から購入までのプロセスが複雑になり、検討時間が長くなることが一般的です。

さらに、意思決定者と実際の商品やサービスの利用者が異なるケースも考えられます。

これらの点を考慮し、詳細なカスタマージャーニーを設定しましょう。

2-5.必要な機能を選定する

続いて、自社にどのような機能が必要なのかを考えていきます。

作成したペルソナやカスタマージャーニーによって、必要となる機能が異なり、導入すべきツールが変わってくるからです。

を選びましょう。

  • メールマーケティング機能
  • CRM(顧客関係管理)機能
  • SNSマーケティング機能
  • 分析・レポート

などの中から、自社のビジネスに必要な機能の選定を行うことで、どういったツールを選ぶべきかの方向性が明確になります。

2-6.MAツールを選び導入する

MAツールに必要な機能の洗い出しができたら、次は導入するMAツールを選びます。

MAツールにはそれぞれの個性があり、機能面・コスト・サポート体制・運用費用など、あらゆる面で違いがあります。

さらに、自社に導入済みのツールとの連携が可能かどうかは、導入をスムーズにする上できわめて重要なポイントとなります。これらの点を総合的に考慮して、自社に最適なツールを選ぶようにしましょう。

2-7.業務フローを考える

MAツール導入後は、ツールを活用して会社全体の業務フローを作成します。マーケティングの分野だけでなく、集客や営業も含めて会社全体の顧客獲得フローを考慮しましょう。その際、マーケティング・営業・カスタマーサポートなどの他部署とも連携して運用体制を構築します。

その際、以下のように役割を分担すると、効率的な販売を行う組織体制を作ることができます。

  • マーケター:
    リード獲得からリードナーチャリング・リードクオリフィケーションを担当し、インサイドセールスにホットリードをトスアップする。
  • インサイドセールス:
    マーケターからトスアップされたリードに対してヒアリングを行う。商談や見積り希望などのホットな問い合わせがあれば、直接ヒアリングを実施し、フィールドセールスに商談をトスアップする。
  • フィールドセールス:
    インサイドセールスのヒアリングを基に商談を進め、成約を目指す。失注したリードは、場合に応じてマーケターに見込みリードとして戻す。

この体制を取ることで、購買意欲の高いリードには直接アプローチし、それ以外のリードにはナーチャリングを施して購買意欲を育てる仕組みを構築できます。

リードを最大限に活用し、商品・サービスの売上を最大化するための仕組みを目指して、業務フローを完成させましょう。

2-8.定期的に効果検証・改善を行う

MAツールの運用を開始したあとは、定期的に効果検証や改善を行います。
MAツールの運用を開始後、すぐに期待する成果が出ればいいのですが、大抵の場合そうはいきません。

そこで効果検証を実施しボトルネックとなっている箇所を見つけ、改善していく必要があります。
定期的な効果検証と改善によって、MAツールの運用を最適化することができ、マーケティング活動の効果を確実に高めていくことが可能です。

3.MAツール・CRMツール・SFAツールそれぞれの違い

3-1.MAツールとは?

MAはBtoBマーケティングにおいて、顧客の獲得および育成を行い、適切なタイミングで営業チームに引き渡す役割を果たします。

獲得したリードの行動をMAツールが分析し、購買意欲の高さに応じてセグメント分けを行い、それぞれの見込み顧客に適したメッセージを配信します。

リードナーチャリングによって、購買の確度が十分に高まった見込み顧客はフィールドセールス(営業担当者)に引き渡され、その後はSFAツールで管理されます。

3-2.SFAツールとは?

「SFA」はSales Force Automation(セールスフォースオートメーション)として知られ、営業活動のサポートツールです。特に、電話やメールを中心とした「インサイドセールス」の効率を大幅に高めることが可能です。

このツールを利用すると、見込み顧客の情報や過去の営業のやりとりを一元的に管理でき、効果的なアプローチを計画・実行することができます。

正確な情報管理により、インサイドセールスは見込み顧客への適切な対応を実現し、営業の成果向上につながる可能性も高まります。

さらに、SFAは情報の共有やデータの分析を容易にすることで、営業の質を一層向上させる役割も果たします。

3-3.CRMツールとは?

「CRM」はCustomer Relationship Managementの略で、顧客関係を構築・管理するツールです。CRMツールを導入することで、購入後の顧客情報・コミュニケーションの履歴・購入履歴などを一元的に管理することが可能になります。

有効活用することで、顧客のニーズを深く理解して最適なアプローチを計画できるようになるでしょう。

また、データの共有が会社や部署全体で容易になり、顧客フォローの体制が強化されます。

そのため、CRMの活用により、顧客満足度の向上・リピート購入の促進・顧客のファン化の実現が期待できるでしょう。

3-4.各ツールの役割

マーケティング全体の中で3種類のツールをどのように使うべきかは、上図を見ると理解しやすいと思います。

3種類のマーケティングツールを活用するプロセスは以下のように分類できます。

  • MA:リードの育成・選別のプロセス
  • SFA:商談開始から購買・成約までのプロセス
  • CRM:既存顧客との関係維持・向上のプロセス

それぞれのツールには、マーケティング活動において特定の導入すべき箇所があります。

どのツールを選ぶべきか迷っている場合、自社のマーケティングの強化したい箇所を特定することから始めるのがおすすめです。

  • 集客に課題を感じる場合:MA
  • 営業のノウハウが不足している場合:SFA
  • 顧客の管理やフォローが不十分な場合:CRM

このように自社の課題を明確にしたうえで、サポートできるツールを導入すれば、それぞれの課題解決につながるでしょう。

4.マーケティングオートメーション(MA)ツール導入時の比較ポイント

4-1.BtoBにあったツールかどうか


MAツールには、BtoC向けとBtoB向けのものがあります。

BtoCのマーケティングでは、消費者との接点が多様であるため、メール・電話・アプリ・SNSなどの様々なチャネルを一元的に管理する機能が求められます。

一方、BtoBのマーケティングでは、初回接触からサービス導入までの期間が長いことが特徴です。このため、リードナーチャリングを中心とした機能、例えばメール配信やリードの評価などが重要となります。

BtoC向けのツールをBtoBの環境で使用すると、顧客の育成やフォローアップが十分に行えない可能性があり、機会損失の原因となるため選択には注意が必要です。

4-2.使用するシステムと連携できるか

自社のマーケティングや顧客管理にSFA、CRM、名刺管理ツールなどを導入している企業は多いと思います。
新規にMAツールを導入する際、これらのツールとの連携が可能かどうかは非常に重要です。既存のツールとの連携が難しい場合、情報の引き継ぎが困難となり業務効率が低下する恐れがあります。

そのため、MAツールを導入する際は、既存の環境に適したツールの選択が必要となります。選定時には、連携可能かどうかをよく確認してください。

4-3.シナリオ設計との相性はどうか

MAツールを選択する際、シナリオ設計との相性は極めて重要です。シナリオ設計は見込み顧客とのコミュニケーションの流れを定義するもので、適切なMAツールを選ぶことでこの流れを最適化できます。

ペルソナやカスタマージャーニーに合わせたMAツールの選択が、見込み顧客のエンゲージメント向上に繋がります。

4-4.サポート体制は十分か

MAツールは多機能で使いこなす難易度が高いため、サポート体制が充実しているかどうかも重要です。マーケティングで実践したい施策があっても、ツールを使いこなせなければ実現不可能だからです。

ツールの使い方で困ることの無いよう、十分なサポートが準備されているかを確かめる必要があります。

サポート体制はツールを提供する会社によって異なり、FAQのサイトが用意されているだけの場合もあれば、オンライン通話を通して手厚いサポートを受けられる場合もあります。

サポートの料金体系も異なるため、導入前にしっかりと確認しましょう。

4-5.価格が適切かどうか

MAツールの機能と価格を考えたときに、費用が適切かどうかも考える必要があります。

MAツールの導入費用は無料〜数十万円以上と幅広く、導入後にかかるランニングコストも様々です。知名度が高いツールでも、使いこなせなければ意味がありません。

無料プランがあるツールであれば、コストをかけずにとりあえず導入し、使い勝手やツール導入の効果を確かめてから導入有無を決定できます。

ツールを使いこなせるか不安な場合は、無料利用できるツールを試してみてもいいでしょう。

5.マーケティングオートメーション(MA)ツールを比較

5-1.Account Engagement(旧:Pardot)

https://www.salesforce.com/jp/

紹介

Account Engagement(旧:Pardot)は、salesforceが提供するMAツールです。salesforceはこのツールの利用を通じて、以下の2つの目標を達成することを目指しています。

  • 会社の売り上げを向上させる
  • 1年後、その成果を会社に報告できる状態にする

このツールはsalesforceの一部として設計されており、マーケターはAccount Engagementを使って獲得やナーチャリングを行ったリードを、Salesforceへスムーズに移行し営業の商談へとつなげることができます。

料金

・料金の一部

プラン名詳細月額料金
Growth基本的なプラン150,000 円(税抜)
Plus分析機能がついたプラン330,000 円(税抜)
Advanced高度なマーケティング+分析機能528,000円(税抜)
Premium予測分析ツールとサポートを含むエンタープライズ向け版1,800,000 円

いい口コミ

Account Engagement(旧:Pardot)には以下のようなポジティブな口コミがあります。

  • salesforceとシームレスに連携可能で使いやすい
  • メルマガの開封やリンククリックなどのデータをSaleforce上に表示でき、営業が顧客アプローチするネタになる
  • 顧客の営業状況に応じた細かいシナリオを設計できる
  • メールの開封率やURLのクリック率を受信者ごとに詳細にレポート化できる
  • テンプレートがあるのでメール作成の時間も短縮でき、業務の効率化に繋がるとの声
  • salesforceと連携させることでsalesforceにある顧客情報宛にメール配信等が行える。

マイナスの口コミ

Account Engagement(旧:Pardot)にはポジティブな口コミがある反面、以下のようなマイナスの口コミもあります。した。

  • UIが直感的ではなくプログラミング知識が必要で難しい。
  • SQLの書き方に独自のルールがあり直観的ではない。
  • サポートが薄く製品導入が難しく苦戦したという声。
  • 専任のMA担当者がいないと導入は厳しいのではという声
  • 日本語が英語の直訳なので不自然な場合がある

口コミの総評

ポジティブな口コミではsalesforceとの連携の便利さや、細かい設定の可能性、詳細なデータの取得が挙げられています。
対照的にネガティブな口コミでは、ツールの使いにくさやサポートの不足が指摘されています。

したがって、自社でsalesforceを利用中であったりMAツールに精通していたりする場合は、Account Engagementが適しているでしょう。
しかし、MAツールの初心者でサポートが必要な場合は、他のツールの選択を検討したほうがいいかもしれません。

5-2.b→dash

https://ori-plan.com/dx/bdash/

紹介

b→dashは、SQLを使用せずノーコードのMAツールでデータ管理できるツールです。
MAだけでなく、BI、Web接客、CDPなどの機能をAll in oneで搭載しており、複数のツールを導入する必要がなくコストを大幅に削減できます。
また、サポートも充実しており、ツールの導入から施策分析まで迅速にサポートを受けられるのも特徴の一つです。

料金

ツール一つ利用ごとに月額5万円~
詳細は要問い合わせ

いい口コミ

b→dashに関しては以下のようなポジティブな口コミがあります。

  • 1社に1人サポート担当がつき、実際に活用できるようになるまで伴走してもらえた
  • 顧客分析やCRM施策に必要なCDPの構築を、ノーコードで簡単に実現する事ができる
  • CDP機能があるので、どんな施策や分析を実施するにも粒度細かく行える
  • セミナー登録やメール配信などの操作が初心者でも行いやすい
  • マーケティングの計画の精度が上がり、営業部との連携も強化される

マイナスの口コミ

b→dashに関して、ポジティブな口コミがある反面、以下のようなマイナスの口コミもあります。

  • データの読み込み速度がもっと上がるとうれしい
  • サポート担当者によってスキルにばらつきがある
  • アップデート後で機能が追加されたあとに周知がない
  • メール作成時に自動保存機能がない
  • 短縮URLのような有料機能が、契約外でも使えたが後で請求された。

口コミの総評

b→dashの口コミの特徴として、「不満点は特にない」という意見が多い点が挙げられます。
マイナスの口コミとしては上記のような内容が存在するものの、割合としては少なく、半数以上の方が特に欠点はないという口コミをしています。

不満が少ないのは、ツールがノーコードで操作できるように設計されており、一人一社サポートがつく丁寧な姿勢が理由と考えられます。

5-3.SHANON MARKETING PLATFORM

https://www.shanon.co.jp/marketingautomation/

紹介

SHANON MARKETING PLATFORMは、効果的なマーケティングオートメーションを実現するプラットフォームです。
BtoB・BtoC問わず導入されており、顧客の属性や行動に基づくセグメント機能、ターゲット指向のメール配信、そして活動の効果を分析するレポート機能を提供しています。

また、導入前後の充実したサポートも特徴的で、MAツールに不慣れでも安心して利用できます。
日本の企業が開発しているツールなので、ツール上の表示やサポートにおいて、日本語に不自然な点がないのもメリットと言えます。

 料金

月額10万円(税別)~※月額は、格納されるリード数や使用したい機能に応じて変動

いい口コミ

  • セミナー申込、コールの履歴など一元管理できる
  • 名刺スキャン機能で簡単に情報を取り込める
  • マーケティングに必要な機能は網羅されている。
  • かなり細かい条件で顧客を抽出できる。
  • 多機能で価格と性能が見合っている。
  • サポート体制が整っているので安心

マイナスな口コミ

  • 申し込み画面のフォーマット変更にhtmlやCXSSが必要なので、専門知識が必要
  • メール作成画面のUIが使いにくいという声が多い
  • 設定項目が多く操作感が直観的ではない
  • ほかのツールとの連携の難易度が高く専門技術がないと厳しい
  • UIに年季を感じる。アップデートしてほしい。

口コミの総評

良い口コミとして、機能の高さやサポートの丁寧さに言及する意見が多く見られました。

一方で、UIの使いにくさや操作感の悪さに関するマイナスの意見も目立ちます。
そのため、高機能で丁寧なサポートを求める方にはおすすめですが、UIや操作感を重視する方には不向きかもしれません。

5-4.HubSpot

https://www.hubspot.jp/

紹介

HubSpotは世界120か国以上で18万4,000社で使われているMAツールです。顧客に関わる全ての業務が1つのCRMプラットフォームに集約されているので、事業拡大に必要なツールがすべてHubSpotに組み込まれています。

無料バージョンや月額2,160円の格安プランも用意されており、リードの登録やメール配信、LP政策といったナーチャリング機能を試すことができます。
1,400種類のツールと連携できるので、様々な環境の企業に適応することが可能。

日本語でのカスタマーサポートや導入支援サービスといった、MAツールに不慣れな企業のためのサポートの手厚さにも特徴があります。

料金

プラン名機能月額料金
無料ツール新しいリード(見込み客)の創出とEメール連絡無料
StarterEメールマーケティングやLP製作でのナーチャリング機能2,160円(税別)
Professional自動化、レポート、キャンペーンを目的96,000円(税別)
Enterpriseより高度な管理に役立ち柔軟性を持ったバージョン432,000円(税別)

いい口コミ

HubSpotには以下のようなポジティブな口コミがあります。

  • CRM等との連携が簡単でフォームやCTAの情報を容易に営業に伝えられる。
  • 操作性がシンプルで使いやすい
  • 顧客情報が管理しやすい。
  • 問い合わせがあった顧客の情報が自動で登録され、登録済みのユーザーの行動履歴も自動で登録される。このように、履歴が残るのでペルソナやカスタマージャーニー作成に役立つ

マイナスな口コミ

HubSpotのマイナスな口コミとしては以下のような内容があります。

  • パフォーマンスの分析機能が弱い
  • アップデートによりUIが変わり戸惑うことがある
  • カスタマーサポートの返答に時間がかかる
  • 多くのチームがかかわると上位プランが必要になる
  • 多少日本語訳が変な点がある

口コミの総評

hubspotは「使いやすい」「管理しやすい」というツールの使いやすさに言及する声が多い一方で、分析機能やサポートの弱さについてはネガティブな声があるようです見られました。

1つのCRMにすべての業務を集約でき、ITツールとしての使いやすさには定評があるので、ある程度不明点を調べながら対応できる方には最適なツールになるでしょう。

一方で、ITツールの取扱いに不慣れで手厚いサポートを期待する場合には、別のツールを選んでもいいかもしれません。

5-5.list finder

https://promote.list-finder.jp/

紹介

ListFinderは、シンプルな操作性・リーズナブルな価格・丁寧なサポートが特徴の国産のMAツールです。無料プランで0円からのスタートが可能で、有料版も月額4万円程度から利用できます。
導入初期には、担当コンサルタントによる伴走支援が提供されるため、使いこなせないという心配は不要です。

さらに、活用勉強会や個別相談会は無料で無制限に受けられ、スキルを高めて活用範囲を広げることができます。
また、ListFinderは「IT導入補助金2023」の対象ツールとして、最大で費用の50%が補助される可能性があります。

料金

プラン名機能月額料金
フリー新しいリード(見込み客)の創出とEメール連絡無料
ライトEメールマーケティングやLP制作でのナーチャリング機能39,800円(税別)
スタンダード自動化、レポート、キャンペーンを目的59,800円(税別)
プレミアムより高度な管理に役立ち柔軟性を持ったバージョン79,800円(税別)
※PV数・顧客データ数に合わせて料金が追加されます。

いい口コミ

ListFinderには以下のようなポジティブな口コミがあります。存在します。

  • サポートサイトがわかりやすく、初めてのMAツールでもつかいこなしやすい。
  • サポート部隊の対応が親切丁寧
  • ドラッグ&ドロップのみでHTMLメールが作成でき、画像挿入なども簡単。
  • 一通りの必要十分な機能が備わっている
  • 機能が絞られており使いやすい

マイナスな口コミ

ListFinderには、マイナスな口コミとして以下のような内容があります。

  • レポーティング機能について。メルマガ1つ1つのデータはCSV出力可能だが、複数のメルマガの開封率や流入率などのサマリーを一括で取得できない。の顧客を抽出することはできない
  • シナリオ機能利用には追加費用がかかる
  • メール配信が2シナリオしか登録できない。
  • メール開封の有無でしか分岐を作成できないので、セグメントごとのマーケティングには物足りない

 口コミの総評

ListFinderの口コミを確認すると、使いやすさやサポートの丁寧さを評価する声が多く聞かれますが、セグメントごとのマーケティングには弱いという意見も目立ちました。そのため、ListFinderは使い勝手やサポートを重視する方にはおすすめのツールと言えます。

しかし、顧客をセグメント分けして購買意欲の高さに応じたマーケティングを行いたい場合、機能に物足りなさを感じる可能性があります。

5-6.Kairos3

https://www.kairosmarketing.net/kairos3

紹介

kairos3は直感的な操作性を持ち、ITツールに不慣れな方にも使いやすいのが特徴のMAツールです。HTML等の知識がなくても、ほぼマウス操作のみで美しいHTMLメールを作成・配信することができます。お問い合わせフォーム・アンケートフォームなどの各種フォーム作成や、ランディングページ(LP)のようなWebページ制作も簡単に行えます。さらに、見込み顧客のスコアリング機能も搭載しており、購買意欲の高さに応じたアプローチが可能です。

料金

・初期費用:100,000円

・プランの一例

詳細月額料金
保有リード数:~100件⽉間PV数:〜5,000PV ⽉間メール送信数:〜1,500通15,000円
保有リード数:~10,000件⽉間PV数:〜150,000PV ⽉間メール送信数:〜150,000通46,000円
保有リード数:~50,000件⽉間PV数:〜750,000PV⽉間メール送信数:〜750,000通120,000円

いい口コミ

kairos3には以下のようなポジティブな口コミがあります。

  • ユーザー目線で設計されており、初めてのMAツールの利用でも問題なく使用できる。
  • 様々なアプリケーションと自由度の高い連携が可能
  • ランディングページ・フォーム・HTMLメールなどをかんたんに作成できる
  • サポートが丁寧かつ迅速。売りっぱなしではない。
  • コンサル費用が全て月額の利用量に含まれている点がよい
  • 導入において丁寧にサポートしてもらえたという声がある。
  • リードのスコアリングが容易。

マイナスな口コミ

kairos3のマイナスな口コミとして以下の内容があります。

  • HTMLメールの装飾がほかのツールよりも多少シンプル
  • スマホアプリがない。スマホから閲覧できない
  • 無料お試し機能がない

 口コミの総評

kairos3は「使いやすい」「わかりやすい」「サポートが丁寧・迅速」といったポジティブな声が多く、ネガティブな口コミが非常に少ない印象です。
使いやすさ・サポート・機能面のバランスがとれており、それでいて金額も安いので総合的に優れたツールと判断できます。

ただ、無料お試しがなくノーコストでは使用感を試せない点や、外部連携できるツールが少なめな点は事前に理解しておくといいでしょう。

6.マーケティングオートメーションを導入した企業の事例

6-1.日本経済新聞社

https://www.nikkei.co.jp/nikkeiinfo/

キリンが手がけるECサイト「キリンオンラインショップ DRINX(DRINX)」では、2016年にマーケティングオートメーションを導入しました。

同社では以前は、広告で集客し会員登録した人にメールでアップセルする、というオーソドックスな手法を採用していました。この方法では顧客がどの広告から来たのか、どの段階で離脱したのか、どのプロモーションが効果的だったのかなどの情報が分断されていたため、全体のプロセスの最適化が難しかったのです。

そこで、マーケティングオートメーションツールを導入し、集客から顧客のエンゲージメント強化までのプロセスを最適化しました。
その結果、レポートを作成する時間が大幅に削減され、意思決定のスピードも向上しました。

また、セミナーで商品の香りを嗅いでもらうことや、飲む以外の新しい楽しみ方を提案しています。これにより、顧客との接点を増やし、リアルとデジタルを組み合わせた次世代のマーケティングを目指しています。

※参考 https://www.advertimes.com/20160523/article223385/

6-2.キリンホールディングス株式会社

https://www.kirinholdings.com/jp/

日本経済新聞社のデジタル事業情報サービスユニットは、以前はプロダクトごとに営業とマーケティングの組織が存在し、ナーチャリングの効率化やクロスセルが難しい状況でした。

この問題を解決するため、組織体制を見直しデータの一元管理やシステムの最適化を進め、情報基盤を強化した上でMAツールを導入しました。
その結果、CRMツールとの連携が強化され、一貫した顧客へのアプローチが可能となりました。

インバウンド対応・アウトバウンド・ナーチャリング・既存顧客とのコミュニケーションの4つの業務でMAツールを活用し、手作業だった業務が自動化され、機会損失の大幅な削減に成功。これにより、案件創出数が2倍に増加しました。

今後は、インサイドセールスの効率化や顧客体験の向上に向けた取り組みを進める予定です。

※参考 https://www.advertimes.com/20160523/article223385/

6-3.近畿日本ツーリスト

https://www.knt.co.jp/

近畿日本ツーリストは、従来、約1,000名の法人営業担当者が電話や直接訪問による営業を行っていました。
インターネットからの旅行申し込みの増加や効率的な営業活動の必要性から、デジタル化へのシフトの必要性が高まっていました。

そこでMAツールを導入し、「見込み案件の確度の高さ」を数値化するスコアリング機能を活用して、見込み案件をセグメンテーションし分類、判別することが可能に。
見込み顧客の購買意欲の高さを判別できるようになり、営業が優先的に対応すべき案件を効率的に精査できるようになりました。

さらに、顧客の関心やニーズを把握し、適切なタイミングで製品情報を提供することも実現しています。

※参照 https://webtan.impress.co.jp/n/2016/08/19/23604

7.まとめ

マーケティングオートメーション(MA)ツールを導入すると、リード獲得やナーチャリング、購買意欲が高い潜在顧客の絞り込みを自動的に行えるので、見込み顧客に効率的にアプローチできるようになります。

見込み顧客の購買意欲には個人差があり、効果的なメッセージは見込み客によって異なります。従来の営業では、異なるニーズを持った顧客に一人一人に最適なメッセージを届けるのは困難でしたが、MAツールのセグメント機能によって顧客を購買意欲に応じて分類すれば、エンゲージメントごとに最適なアプローチをかけることが可能です。

MAツールは使いこなすことができれば、企業の売り上げを伸ばす上で強力な武器となりますが、ただ導入しただけでは効果は出ません。
ツール導入によって達成したいゴールを設定し、顧客分析などの施策を講じたうえで、生じた結果に対して効果検証・改善を行うことで初めて効力を発揮します。

ぜひMAツールを導入したうえで有効活用し、自社の増益に役立てていただければと思います。

※ツールの導入費用や利用料金は、2023年11月現在の公式Webサイトを参考に記載しております。MAツールの料金は変動することが多いので、最新の情報は各公式Webサイトをご覧ください。

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