Webマーケティングで欠かせない業務のひとつに、Webサイトのアクセス解析があります。
アクセス解析を実施すると訪問者の行動や傾向を把握できるため、Webサイトの効果的な改善や新規サービスの開発につながります。
また、ユーザー体験の向上やコンバージョン率の改善など、Webサイトの価値を高めることにもなるでしょう。
アクセス解析ツールは、専門的な知識がなくてもコストをおさえながら簡単に導入できます。
しかし、アクセス解析ツールを提供する企業は多いため、どのアクセス解析ツールを選べばよいかわからない方も多いと思います。
そこで本記事は、アクセス解析ツールの概要や導入するメリット・デメリット、おすすめのアクセス解析ツールなどを解説します。アクセス解析ツールを日常的に利用しているWebマーケティング担当者やこれからアクセス解析を始めようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
1.アクセス解析ツールの概要
1-1.アクセス解析ツールとは?
アクセス解析とは、Webサイトやアプリなどオンラインサービスの利用状況を測定・分析することです。アクセス解析ツールを利用することで、以下のような指標を確認できます。
- 訪問者数:サイトにアクセスした人数
- ページビュー数:表示されたWebページの回数
- 滞在時間:サイトに滞在した平均時間
- 離脱率:サイト訪問者が目的の動作を行わずに離れた割合
- コンバージョン率:サイトで目的の行動をした割合
さらに、訪問者の属性や行動パターンとして以下のデータも収集が可能です。
- 訪問者の年齢層、性別
- 利用している端末の種類(PC、スマートフォン、タブレットなど)
- 訪問者の居住する地域
- Webサイトの流入経路(検索エンジン、SNS、リンク元サイトなど)
- ユーザーの行動軌跡(閲覧ページ、クリック履歴など)
上記のようなデータを活用することで、Webサイトやアプリの改善点を発見し、ユーザーニーズに沿った最適化が図れます。つまり、アクセス解析ツールはオンラインサービスの運営に欠かせないツールのひとつといえるでしょう。
1-2.アトリビューションツール・Web解析ツールとの違いは?
アトリビューションツールとは、ユーザーがコンバージョン(商品購入や資料請求など)に至る過程で、どのマーケティング活動が影響を与えたか特定することを目的としています。企業がデジタルマーケティングを実施する際、複数のチャネルを組み合わせて施策を展開します。しかし、コンバージョンに効果的だったチャネルを特定するのは容易ではありません。
そこでアトリビューションツールを利用することで、以下のようなデータを収集・分析できます。
- 訪問者の流入経路(検索エンジン、メールマガジン、SNSなど)
- 広告キャンペーンやプロモーション施策との関連性
- 複数のタッチポイントの寄与度
- 最終的な決済に至るまでの行動履歴
アトリビューションツールは、投資対効果の高いマーケティング施策を確認でき、ユーザーの購買プロセスを可視化できる点が特徴です。そのため、マーケティング活動の最適化やROIの向上に役立ちます。
一方で、Web解析ツールとは、Webサイトの特定ページに関する指標を測定・分析するツールのことです。自社サイトのデータ分析に加えて、他社サイトの動向分析も可能です。競合他社のキーワードや人気コンテンツを分析することで、自社サービスの改善点の発見や新規事業のアイデア創出につながります。また、業界全体のユーザーニーズを捉えられるため、マーケティング戦略の立案にも活かせるでしょう。
2.アクセス解析ツールを導入するメリット
2-1.コンバージョン率を確認できる
アクセス解析ツールを利用することで、Webサイトやアプリなどのサービスにおけるコンバージョン率を確認できます。コンバージョン率とは、訪問者が目的の行動を起こした割合のことです。目的の行動としては、以下が挙げられます。
- 商品購入
- 資料請求
- 会員登録
- 問い合わせ
アクセス解析ツールによって上記の項目を設定し、訪問者数に対する目的達成の割合を数値化できます。たとえば、ECサイトは商品購入をコンバージョンに設定し、訪問者数から購入者数を割ってコンバージョン率として把握できます。
このようにコンバージョン率を確認することでサービスの利用状況が分析できるため、マーケティング施策の効果測定や改善ポイントの特定に役立ちます。
2-2.良質なコンテンツ作成を目指せる
アクセス解析ツールを利用すると、訪問者の興味関心やニーズに関するデータを収集できます。実際のアクセスデータをもとに、ユーザーが求めているコンテンツの特定につなげられます。特に人気のある話題や関心の高いジャンルを見つけ出せれば、ユーザー目線に立ったコンテンツを企画・作成できるでしょう。
また、フロー解析の結果から、ユーザーが求めている情報の流れをつかむことも可能です。特定のページにたどり着くまでの順番や情報を追跡できるため、論理的かつストレスのない情報提供を実現できます。さらに、ユーザーの属性に合わせてターゲティングすることで、ニーズにマッチした的確なコンテンツの設計が可能です。
3.アクセス解析ツールを導入するデメリット
3-1.情報過多になる可能性がある
アクセス解析ツールは、Webサイトやアプリに関するさまざまなデータを収集できるため、過剰な情報を提供してしまう可能性があります。
ユーザー属性や利用端末、行動履歴など大量のデータが手に入ると、本当に必要なデータがどれなのか判断しづらくなるかもしれません。
そのため、アクセス解析を実施する前には、明確な目標の設定が重要です。
また、情報過多に陥らないように定期的に目標設定を見直して、必要なデータを選別するとよいでしょう。
3-2.プライバシーの問題に対処しなければならない
アクセス解析ツールを導入する際は、ユーザーのプライバシー保護に注意を払わなければなりません。ツール導入時には、以下の対策を必要とする可能性があります。
- 同意取得:
訪問者から適切な同意を得ることが重要です。サイトポリシーやプライバシーポリシーをわかりやすく表示し、同意を求める必要があります。 - データ管理:
収集したデータは適切な管理が必要です。不要なデータは削除し、アクセス権限の設定や暗号化など、厳重なセキュリティ対策を講じましょう。
プライバシー保護の対策を怠ると、ユーザーの信頼を失うだけでなく、法的リスクにもつながりかねません。
4.アクセス解析ツールの種類
4-1.Webビーコン型
Webビーコン型のアクセス解析ツールでは、Webページに小さな画像やJavaScriptなどのタグ(Webビーコン)を埋め込みます。主なWebビーコン型のアクセス解析ツールは、Google AnalyticsやAdobe Analyticsです。
訪問者がWebページを閲覧すると、Webビーコンがサーバーと通信し、その情報がアクセス解析に利用される仕組みです。ページビュー数や離脱率などのデータを、リアルタイムで収集・分析できる点が特徴です。
4-2.サーバーログ型
サーバーログ型のアクセス解析ツールは、Webサーバーにアクセスした際の履歴を保存する仕組みです。代表的なサーバーログ型のアクセス解析ツールは、AWStatsやWebalizerです。
サーバーログ型では、以下のデータを収集できます。
- IPアドレス:アクセス元のIPアドレス
- 日時:アクセスされた日時
- ユーザーエージェント:利用端末やブラウザの種類
なお、Webサイトの規模が大きい場合はサーバーの負荷が高くなる可能性や、定期的にデータを取得するためリアルタイムで分析できないことがデメリットです。
4-3.パケットキャプチャリング型
パケットキャプチャリング型は、ネットワーク上のデータパケットをキャプチャして解析する仕組みを採用しています。
通信に関するプロトコルやポート番号など、詳細なデータを収集できる点が特徴です。
また、JavaScriptが動作していない場合でも、解析できることはメリットといえます。
ただし、専用のサーバー機器を設定しなければならず、導入には専門的な知識が求められます。
そのため小規模なWebサイトでは、導入コストに見合わないケースが多いかもしれません。
5.アクセス解析ツールの主な機能
5-1.基本的な分析機能
アクセス解析ツールには、Webサイトの基本的な指標を測定する機能が備わっています。代表的な分析機能は、以下のとおりです。
- ユーザー数(訪問者数):Webサイトへの訪問者数を計測
- ページビュー数(閲覧数):Webサイトの各ページの閲覧回数を計測
- セッション数:Webサイトにユーザーがサイトに訪問して離脱するまで
- コンバージョン率:ウェブサイトで設定した目標の達成率(購入、問い合わせ、資料DLなど)
- 滞在時間:ウェブサイトでユーザーが滞在した平均時間
- 離脱率:ウェブサイトから離脱(退出)したユーザーの割合
5-2.ユーザー行動の分析機能
ユーザーの行動をより詳細に可視化する機能として、ヒートマップやフローレポートがあります。
ヒートマップとは、Webサイトの各ページにおいて、どの部分がユーザーに注目されているかを視覚的に示したものです。
クリック箇所の密集度が色分けで表示され、注目度が高い部分を把握できます。ヒートマップを活用することで、コンテンツの改善ポイントが明確になるでしょう。
また、フローレポートとはユーザーの行動履歴を視覚化したものです。サイトの各ページ間で、遷移経路や離脱率などがわかります。フローレポートを分析することで、ユーザーに対する効果的な誘導方法や改善が必要な離脱ポイントなどの情報が得られます。
5-3.SEO分析機能
SEO分析機能とは、検索キーワードやWebサイトへの流入経路を分析するものです。ユーザーがどのようなキーワードでサイトにアクセスしているか、Webサイトの改善ポイントがわかります。
たとえば、Googleサーチコンソールには以下のレポート機能が備えられています。
- Google検索による順位やクリック数、検索クエリ
- 外部リンク、内部リンクの状況
- ページエクスペリエンス
SEO分析機能を活用することで、検索キーワードの選定や改善、コンテンツ戦略の立案などにつながるでしょう。
6.【PR】おすすめのアクセス解析サービス|サイト分析レポート
ミモズカンパニーが提供するサイト分析レポートでは、複数のデータソースが連携でき、Webサイトのさまざまなデータの収集もできます。
これにより、以下のようなデータを1つのレポートで簡単に確認できる点がメリットです。
- ユーザー数
- 流入経路
- 検索キーワード数
- 検索順位
- 資料請求数
- 注文金額
- 広告実績
数字や文字だけのデータだけでなく、それらを表やグラフにもできます。よって、データが可視化がされ、サイトの現状や売上などをより把握しやすくなります。
Webサイトのデータだけではなく、各種SNSのインサイトやエンゲージメントデータもまとめて収集が可能です。
Excelやスプレッドシートに手作業で入力する必要がないため、事務作業の手間が省ける点も特徴です。
また、まとめられたデータは日次レポートとして、毎日メールでの自動配信が可能です。営業やマーケティング担当者など、各部門で必要となるデータだけを自動で集計できるため、報告会議など時間の削減につながります。つまり、会議に費やしていた時間をデータにもとづく施策の立案やWebサイトの改善に充てられます。
サイト分析レポートの利用料金は、月額55,000円(税別)です。期間は6ヶ月からとなります。レポート数に上限はなく、ユーザーの希望に併せたオリジナルテンプレートの構築が可能です。また、契約期間中は何度でもお問合わせ可能で、無制限Google Analyticsなどの外部ツールとの連携設定のお問合わせなどの、手厚いサポートが含まれます。
ミモズカンパニーの「サイト分析レポート」では、Google Analyticsのアクセスレポート、またはSEO流入レポートを無料でプレゼントしています。ぜひ気軽にお問い合わせください。
サイト分析レポート
7.無料で使えるアクセス解析ツール9選
7-1.Google アナリティクス 4(GA4) おすすめ度4.5
Google アナリティクス4は、Googleが提供しているWebサイトのアクセス解析ツールです。
Webサイトに設置したトラッキングコードによって、サイトの訪問者数やセッション数・ページビューなどのデータを分析できます。
Googleのアカウントがあれば法人・個人問わず導入できるため、利用を検討しやすいアクセス解析ツールといえます。
ユーザー分析や流入経路・行動分析・リアルタイム計測などの機能が無料で利用できる点も特徴です。
7-2.Google Search Console おすすめ度4.5
Google Search Consoleは、Googleが提供する無料のアクセス解析ツールです。主な機能は、以下のとおりです。
- 検索キーワードによるクリック数や、検索順位、流入経路の確認
- インデックスの登録状況の確認
- サイトのセキュリティ問題を検出
- サイトマップの送信
- Google Analytics 4と連携可能
Google アナリティクス 4はWebサイトにアクセスしたユーザーの情報取得が目的ですが、GoogleサーチコンソールはSEOを改善するための情報取得が目的になっています。
7-3.Clarity :おすすめ度4
Clarityは、Microsoft(マイクロソフト)が提供しており、ヒートマップの確認をできる点が特徴です。
ヒートマップ分析をすれば、Webサイトのどの部分をユーザーがクリックしたのか、よくスクロールされる範囲の把握ができます。
さらに、Webサイトに訪れたユーザーがどのようにサイトを移動したかをレコーディングする機能も利用できます。
25以上のフィルターが用意されており、「ユーザーが何度もクリックしている」「すぐに前のページに戻っている」など、特定の動きに絞り込んだ分析も可能です。
Clarityはすべての機能を無料で利用でき、Google アナリティクス 4とも連携できます。アクセス解析にかかるコストを抑えつつ、ユーザーの行動を多角的に分析できるツールといえます。
7-4.Similar Web :おすすめ度4
SimilarWeb(シミラーウェブ)は、市場分析やベンチマーキングなどを利用できるデジタルインテリジェンスや、競合分析やキーワード検索機能のデジタルマーケティングインテリジェンスなどがあります。
業界調査やユーザー分析など基本的な機能はもちろん、競合サイトの広告運用状況やSEO対策の状況まで分析できる優れた機能を実装しています。
またユーザー登録だけで、1週間無料で利用が可能です。無料トライアル期間中は、Web分析やWebサイトの直近1ヶ月分のデータ取得、競合他社の上位5サイトの情報取得ができます。
トライアル期間終了後も無料版を利用できますが、より詳細や分析をするには機能が拡張された有料プラン(月額208ドル)への加入がおすすめです。
7-5.Ahrefs :おすすめ度4
Ahrefs(エイチレフス)は、Ahrefs Pte.Ltdが開発・提供しているアクセス解析ツールです。
自社のWebサイトだけでなく、競合他社の被リンク(バックリンク)状況や検索上位のコンテンツ、流入キーワードの予測、ソーシャルメディアでの反応を分析できます。つまり、競合他社の動向を多角的に分析できる点がAhrefsの特徴です。
Ahrefsは、Webサイトの被リンクデータを約15分で更新しています。
常に最新のデータを活用できるため、競合サイトの最新の被リンク状況を把握できる点がメリットです。
さらに、Ahrefsのインターフェースは使いやすさにも優れています。直感的なデータ表示で、必要な情報をすぐに確認可能です。
なお、機能が限定されたAhrefsウェブマスターツールは無料で利用できます。(有料プランは月額19,000円から)
7-6.Looker Studio :おすすめ度4
Looker Studio(ルッカースタジオ)は、Googleアカウントさえあれば無料で利用できるレポート作成ツールです。
テンプレートが豊富に用意されているため、初心者でも直感的にレポートを作成できます。
また、Looker Studioはさまざまなデータを連携できる点が特徴です。Webサイトのトラフィックデータや広告実績データ、収益データなどを組み合わせて分析できます。
さらに、作成したレポートは社内メンバーと簡単に共有・編集できるため、Webサイトの改善後の成果、SEO対策の成果、広告の成果などをまとめて報告したい場合に効果的です。
データはリアルタイムで更新されるため、常に最新の状況を把握できます。有料プラン(Looker Studio Pro:月額9ドル)を利用すると、より高度な機能が使えるようになるでしょう。
7-7.Ptengine :おすすめ度4
Ptengine(ピーティーエンジン)は、株式会社Ptmindが提供するアクセス解析ツールです。
Ptengineのヒートマップやアクセス解析機能を利用することで、流入分析やLPO分析・コンバージョン分析・離脱原因分析などができます。特に、クリックヒートマップやアテンションヒートマップ・スクロール到達率など、さまざまなヒートマップが用意されている点が特徴です。
ヒートマップ機能を活用することで、ユーザーの行動を詳細に分析できます。たとえば、ページの改善ポイントを見つけたり、コンバージョンに影響する要因を特定したりできるでしょう。
さらに、ページ内容やポップアップの位置を変更、バナー画像の入れ替えなどのA/Bテストを試したい場合は、ノーコードで簡単にテストバージョンを作成できる点もメリットです。
また、Webサイトの訪問者の年齢層に応じて違う商品をすすめたり、新規ユーザーとリピーターに異なるサービスを提示したりと、ユーザーをグループ分けできる機能が備わっています。
ヒートマップページ数やデータ期間が制限されたプランは無料で利用できますが、機能を追加したい場合は月額5,478円から申し込みできます。
7-8.SERCH WRITE :おすすめ度4
SERCH WRITE(サーチライト)は、株式会社PLAN-Bが提供するSEO分析の機能が豊富なアクセス解析ツールです。SEOを意識したコンテンツ作りや、施策の振り返りに注力したい企業におすすめです。
主な機能は、以下のとおりです。
- キーワード発見ツール:キーワード検索数や難易度などを分析し、効果的なキーワードを発見できる
- コンテンツ設計ツール:競合サイトの上位コンテンツを分析したコンテンツ設計が可能
- 検索順位チェックツール:対策キーワードの検索順位を定期的に確認できる
さらに、すべての有料プランで専属コンサルタントによるサポートを受けられる点が特徴です。導入サポートや運用支援・ラーニングコースや勉強会なども用意されており、SEO対策のスキルアップが図れるでしょう。SERCH WRITEのデモを申し込むと1週間無料で利用でき、その後3つの有料プランから使い方に応じたプランを選択できます。
7-9.忍者アクセス解析 おすすめ度3.5
https://www.ninja.co.jp/analyze
忍者アクセス解析は、忍者ツールズ株式会社が提供するアクセス解析ツールです。
自社Webサイトに訪問したユーザーの閲覧環境や、ページのアクセス数とどの部分が多くクリックされているか確認できる点が特徴です。
さらに、ユーザーの詳細なアクセスログは過去4ヶ月分保存され、サイト内の流入元ページと遷移先ページの特定・割合を確認できます。
忍者アクセス解析は、少しUIが古臭い印象ですが、すべての機能が無料で使えるためとにかくコストをおさえたいという企業におすすめです。
8.アクセス解析ツールを選ぶ際のポイント
8-1.目的に合う機能があるか
アクセス解析ツールを選ぶ際には、目的に合った機能があるかを考慮しなければなりません。アクセス解析ツールによってさまざまな機能が提供されているため、自社の目的に合った機能を持つツールを選ぶ必要があります。
たとえば、Webサイトの改善が目的の場合は、基本的な分析機能やユーザー行動分析・ヒートマップが必要です。一方でSEO対策が目的であれば、SEO分析や検索キーワード分析は欠かせません。そのため、まずは自社でアクセス解析ツールを利用する目的を明確にし、目的に合ったツール選びが大切です。なお、機能面だけでなく料金体系や操作性なども加味した総合的な判断がおすすめします。
8-2.使いやすいUIか
アクセス解析ツールの選定において、UIの使いやすさは重要なポイントです。デザインが洗練されていて直感的に操作できるツールであれば、業務の効率化が期待できます。
たとえば、ミモズカンパニーの「サイト分析レポート」は、さまざまなデータが1つのレポートにまとめられているため、別のページを確認するといった複雑な操作は必要ありません。トラフィックレポートでは視認性のよいグラフを用いており、重要な数値が直感で理解しやすくなっています。
アクセス解析ツールを選ぶ際には、よく使う機能のレイアウトやアクセス方法・フィルタリング機能の充実度などから、総合的にUIの使いやすさを判断するとよいでしょう。
8-3.有料で利用できる機能を比較する
アクセス解析ツールのほとんどは、無料と有料で利用できる機能が異なります。有料プランを契約すれば、データの保存期間が伸びたりレポート作成の枚数が無制限になったりと機能が追加されます。Webサイトの規模や目的に合わせて、無料と有料のメリット・デメリットを比較することが重要です。
8-4.サポート体制が整っているか
アクセス解析ツールの選定においては、サポート体制が整っているかの確認も大切です。導入時や導入後にツールの操作方法がわからないなど問題が発生した際に、迅速で適切なサポートを受けられなければ、非効率になりアクセス解析ツールを導入する意味がありません。
たとえば、ミモズカンパニーの「サイト分析レポート」は、グラフの修正やデータ追加などサポートが充実しています。導入時のサポートはもちろん、運用時の疑問にも丁寧に対応してくれるため、初めてアクセス解析ツールを利用する場合でも安心して利用できるでしょう。
9.アクセス解析を行う際の注意点
9-1.目標設定を明確にする
アクセス解析に取り組む際は、商品・サービスの目的や目標を明確にすることが重要です。目標が定まっていない場合、施策の成果をうまく評価できない可能性があります。たとえば、以下のような目標を設定するとよいでしょう。
- コンバージョン率の向上
- 新規顧客の獲得
- 既存顧客の定着
- ブランド認知の向上
目標を設定する際には、自社の過去データや競合他社の数値を参考にして、それを上回る適切な目標値を設定してください。
また、「3ヶ月後に〇〇%増」など具体的な期間を決めることも大切です。
9-2.長期的なデータを比較する
アクセス解析を実施する際は、日々の変動を追うのではなく長期的にデータを比較しなければなりません。
短期的なアクセス数の増減は、検索アルゴリズムの変動や季節的な要因およびプロモーションなどが影響している可能性があります。
施策を実施してから少なくとも2週間、可能であれば1ヶ月程度のデータを集計し、過去のデータと比較することをおすすめします。
9-3.ユーザーデータを深掘りする
アクセス解析をすると、Webサイトを訪れたユーザーの詳細なデータを取得できます。
この情報を深掘りすることで、より効果的な施策の立案が期待できます。
たとえば、以下のようなユーザーデータを分析することが必要です。
- 年齢層:主要ターゲットの年齢層に合わせてコンテンツを最適化する
- 地域:地域別の嗜好に応じたコンテンツを作成する
- 利用デバイス:スマートフォンユーザー向けのUIやUXを改善する
また、ユーザーの行動履歴を分析することで、以下のような改善を計画できます。
- 長時間滞在するコンテンツを増やすことで滞在時間を延ばす
- よくスクロールされるコンテンツ部分に重要情報を掲載する
- 離脱率が高いページのUIを見直す
ユーザー属性や行動データを深掘りすることで、ユーザー視点に立ったWebサイトの運営が可能です。
定期的にユーザーのデータを確認し、ニーズに合わせた施策を計画するとよいでしょう。
9-4.外的要因を考慮する
アクセス解析をする際には、祝日や特定のイベントなど外的要因を考慮しなければなりません。たとえば、以下の点に注意が必要です。
- 年末年始やゴールデンウィーク、クリスマスなどの長期休暇の影響
- バレンタインデーやハロウィンなど特定の記念日やイベント
上記のような時期は、ユーザーの行動パターンや関連するキーワードが一時的に変化する可能性があります。
また、過去のデータと比較する際にも、同様のイベントや時期による外的要因を加味することが重要です。
9-5.ダブルトラッキングに気をつける
ダブルトラッキングとは、アクセス解析ツールによって同一のページビューが複数回カウントされてしまう現象です。
ページビュー数やセッション数が実際の数値よりも多く計上されてしまうため、データの精度が下がってしまいます。
主な原因は、アクセス解析ツール作業者の変更や、同一ページに複数のトラッキングコードが設定されているなどです。
ページビュー数が急激に増えていないか、直帰率が大幅に変動していないか、定期的にアクセス解析ツールで得たデータを確認しましょう。
10.まとめ
アクセス解析ツールは、自社のWebサイトやSNSに訪れるユーザーの行動を分析できるツールです。
アクセス解析ツールから得られるデータをうまく活用すれば、コンバージョン率の改善や業務の効率化につながるでしょう。
ただし、アクセス解析ツールを選定する際には、自社のWebサイトの目的やターゲット・予算などによって、最適なツールの見極めが重要です。
また、単にアクセス解析ツールの機能が充実しているだけでなく、使いやすさやコストパフォーマンスなども考慮しなければなりません。
本記事で紹介した10つのアクセス解析ツールを参考にしながら、自社に適したものを選んでください。
なお、ミモズカンパニーが提供する「サイト分析レポート」は、必要なデータが毎日自動的に送られてきます。
また会社の各部署へ共有するため、すり合わせの時間を取られる心配もありません。トライアルへお申し込みいただければ、トラフィックレポートを無料で作成しますので、一度お問い合わせください。
大手小売店の営業として、年商16億円の店舗で数値管理や人材育成などに従事。独立後は、ライティング・コンテンツマーケティング・広告運用などに携わる。現在は、Webディレクター・SEOライティング・コピーライティング・ライター講師などマルチに活躍。得意なジャンルは、ビジネス記事。様々なkwで検索順位1位を多数獲得の実績がある。