プロトタイピングとは?主な手法や実施する際のプロセスを解説!

新規事業を成功させるためには、顧客のニーズに沿った新商品やサービスを開発する必要があります。
しかし、ビジネス市場は変化が激しいうえに不確実性が高く、ニーズを的確に推測するのは容易ではありません。その際に役立つのが、プロトタイピングです。

プロトタイピングとは、商品やサービスを開発する前段階で機能やデザインなどを検証するために簡易的な試作品を作成することです。プロトタイピングを実施すると、完成品に近い状態で市場からフィードバックを得られるため、効果的な検証を繰り返すことが可能です。

本記事では、プロトタイピングの主な手法やプロセス、実施する際のポイントについて解説しています。新規事業を効率的に進めたい担当者の方はぜひ参考にしてください。

目次

1.プロトタイピングの概要

1-1.プロトタイピングとは?

プロトタイピングとは、新商品やサービスを開発する前に、必要最低限の機能やデザインを実装した試作品を作成して検証することです。
どれほど優れた商品やサービスでも、初めから顧客のニーズをすべて満たすことはできません。

そこで、試作品を用いて実際の製品と同等の体験を提供することで、ユーザーの満足度を上げるためのフィードバックを得て開発が進められるようになります。
プロトタイピングは特定の分野に限らず、システム開発・サービス開発・製造業・建築などさまざまな現場において活用されている手法です。

1-2.PoCとの違い

PoCは「Proof of Concept」の頭文字を取ったもので、「概念実証」という意味ですビジネスの現場においては、新たに考えたアイデアや理論の実現可能性を検証する工程を指します。
新商品・サービスを開発する前に製品の簡易版を作成し、アイデアを意図したとおりに実現できるか・ビジネスとして収益化できるかといった観点で試験を行います。

プロトタイピングでは、プロジェクトの方向性がある程度定まったうえで試作品が作られるのに対し、PoCはアイデアベースの初期段階で実施される点が特徴的です。

プロトタイピングとPoCの違い

2.プロトタイピングの目的

2-1.ビジネス市場の変化に対応する

ビジネス市場の変化に対応した新商品・サービスの開発を実現するには、プロジェクトの工程のなかでプロトタイピングを取り入れることが必要です。
ビジネス市場は変化が目まぐるしいうえに、近年では新型コロナウイルスの大流行や景気変動など予想外の出来事が大きな影響を与えています。従来の経営手法では不確実性の高い市況を乗り越えることは難しいため、市場の動向を観察し、仮説と検証を繰り返しながら製品開発を進めていくプロトタイピングが重要となります。

また、プロトタイピングでは市場やユーザーからフィードバックを受けられるため、顧客のニーズに合わせた製品を開発しやすくなるでしょう。

2-2.開発をスピーディーに進める

プロトタイピングは、新商品・サービスの開発をスムーズに進めてビジネスチャンスを獲得するために行われることもあります。
はじめから完成度の高い製品を仕上げようとすると、情報収集や分析に膨大な時間を割くことになるため、結果的に市場の機会を逃してしまうケースや、他社との優位性を獲得できなくなるケースは少なくありません。

しかし、プロトタイピングを実施すれば短期間でフィードバックを獲得して改善につなげられるようになり、顧客のニーズを満たした製品をスピーディーに具現化できるようになります。また、プロトタイピングを実施すると開発の後戻りが少なくなることから、納期の短縮にも効果的です。

2-3.顧客のニーズや課題を検証する

プロトタイピングは開発スピードを上げるだけでなく、顧客のニーズや課題を検証するためにも効果的です。
いくら高性能・高品質な商品・サービスでも、ユーザーから求められなければ売ることはできません。プロトタイピングを実施することで、試作品に対するフィードバックから製品の課題が見つかるだけでなく、市場の動向や特性、顧客の要求などを学ぶことが可能です。

また、ユーザーのニーズを満たすような製品ができているかどうかの確認にも役立ちます。開発中の製品が結果として事業につながらなかったとしても、市場や顧客から得た情報はさまざまな場面で活用できるでしょう。

3.プロトタイピングのメリット

3-1.課題を早期発見できる

プロトタイピングでは完成品の機能を持った試作品を用いるため、商品やサービスの課題をいち早く発見することが可能です。
また、市場やユーザーの動向をもとに仮説を立てて検証することから、開発者の思い込みや固定観念を取り除いた状態で、顧客のニーズとの相違点を客観的に判断できるようになります。製品が完成する前に修正対応をできるため、工程の手戻りを防げる点もメリットのひとつです。

3-2.商品・サービスの品質向上につながる

プロトタイピングを通じて市場から直接フィードバックを受けられるため、商品・サービスの品質向上にも効果的です。ターゲット層となるユーザーに製品を実際に触れてもらい、具体的な意見をもらうことで、より実用性の高い改善につなげられます。
さらに、ユーザーの声を取り入れて作り上げた商品・サービスは愛着を持ってもらいやすく、ファンの獲得にも役立つでしょう。

3-3.コストと時間を削減できる

プロトタイピングによって検証と改善を繰り返しながら製品開発を進めることで、完成後に手戻りするコストや時間を削減できる点もメリットのひとつです。
通常、プロジェクトが後半になるほど仕様が固まってくるため、あとから変更や修正をすると莫大な時間や費用がかかってしまいます。
しかし、試作品の段階で課題が見つかればその都度対応できるため、コストを最低限に抑える事が可能です。

3-4.実際の市場からフィードバックを得られる

プロトタイピングでは、完成品と同様の特徴を持った試作品に対して実際の市場からフィードバックを得られる点も強みです。
フィードバックを通じて、市場においてどのように評価されるのか・顧客のニーズを満たしているかを把握できるため、有効な改善案を検討できます。また、新商品・サービスの方向性や仕様を固める際にも役立つでしょう。

3-5.チームメンバー内で認識のズレを防げる

プロトタイピングで試作品を作成することで、プロジェクトチーム内で同じイメージを共有できるといった効果もあります。
完成品に対して要件定義書を作成していたとしても、文章や図解だけではメンバー間で認識のズレが生じるケースも少なくありません。そこでプロトタイピングを実施し、具体的なイメージを共有することで、仕様のすり合わせや課題の検討をスムーズにできるようになります。
また、プロジェクトの途中でメンバーが追加された場合でも、試作品があれば具体的なゴールがわかるため、共通認識を持って開発を進めることが可能です。

3-6.仕様を最適化できる

プロトタイピングでは仮説を立てたうえで検証するため、仕様の最適化が可能です。
市場からのフィードバックにばらつきが生じたとしても、優先順位をつけておくことで効果的な取捨選択ができるようになります。
結果として、本当に必要な情報を取り入れて試作品を改善していくことが可能です。また、仕様の最適化はユーザーにとっての使いやすさや利便性にもつながるでしょう。

プロトタイピングのメリット

4.プロトタイピングのデメリット

4-1.プロジェクトの進行が滞るおそれがある

プロトタイピングに注力しすぎると、プロジェクト全体の進行が遅れる可能性があるため注意が必要です。プロトタイピングのメリットは、顧客からフィードバックをもらうことで、ニーズを満たす製品を開発できる点にあります。

しかし、顧客の要望をすべて受け入れた結果、要求がどんどん細かくなっていったり、過度な修正が必要になったりするケースも少なくありません。
その結果、プロジェクトの進行が滞ってしまっては意味がないので、事前にルールを設けておくことが大切です。

4-2.開発の負担が大きくなりやすい

プロトタイピングは試行錯誤を繰り返すことを前提としているため、プロジェクトの担当者は何度も修正対応をする必要があります。
完成後に後戻りするリスクは軽減されるものの、工程が増えることになるため、開発の負担は大きくなりやすいといえるでしょう。

また、直接的な作業だけでなく、ミーティングや事務作業といった業務が増えることも考えられます。
開発担当者の負担を軽減するためにも、顧客の要求をどの程度聞き入れるのか・どの程度のクオリティで試作品を作成するのかを事前に決めておくのがおすすめです。

5.プロトタイピングの主な種類

5-1.ハイファイプロトタイピング

ハイファイプロトタイピングとは、完成品と同等のデザインや機能を実装した試作品を作成する手法です。
実際の商品やサービスに近い状態で市場検証をするため、精度の高いフィードバックを得られやすいといったメリットがあります。また、試作品の段階で問題がなければ、そのままスムーズに本番の開発に移行することも可能です。

ただし、試作品の段階で細部まで作り込む必要があることから、ローファイプロトタイピングと比べて時間もコストもかかる点がデメリットといえます。ハイファイプロトタイピングに該当する主な手法として、「デジタルプロトタイプ」「コードプロトタイピング」などがあげられます。

5-2.ローファイプロトタイピング

ローファイプロトタイピングとは、簡易的な材料を用いて暫定的な試作品を作成する手法です。時間や費用を抑えて手軽に検証できるため、チームで共通認識を揃えたりプロジェクトの方向性を確認したりする場合に役立ちます。
また、デザインよりも機能性を念入りに検証したい場合にも効果的です。

ただし、手軽に試作品を作成できる反面、デザインや機能を完成品に近づけることは難しい点に注意が必要です。
ユーザーが完成品を正しくイメージできず、フィードバックにズレが生じるおそれがあるでしょう。ローファイプロトタイピングに該当する主な手法として、「ペーパープロトタイプ」や「ワイヤーフレーム」などがあげられます。

プロトタイピングの主な種類

6.プロトタイピングの主な手法

6-1.ペーパープロトタイプ

ペーパープロトタイプイングは、アイデアを紙にペンで書いて、簡易的な試作品を作成する手法です。
主にWebサイトやソフトウェア、アプリなどの開発現場で用いられます。

まずは紙に画面ごとのレイアウトを大まかに書き起こし、それぞれ必要な要素やユーザーからの見え方などを書き込んでいくことで完成します。紙とペンがあればどこでも手軽にできることから、スピード感を持って検証できる点が強みです。
ただし、紙の段階で色をつけると時間がかかるうえに、のちのデザインに影響を与えてしまうおそれがあるため、できるだけモノクロのみで作成するとよいでしょう。

ペーパープロトタイプ

6-2.コンテクスチュアルプロトタイプ

コンテクスチュアルプロトタイプとは、ユーザーが新商品やサービスをどのように活用するのかイメージできる試作品を作成する手法です。
具体的には、コンセプトムービーやコマーシャル、4コマ漫画などがあげられます。実体的なアイテムがなくてもユーザーに疑似体験を与えられるため、具体的な課題や改善点といったフィードバックを得ることが可能です。
また、顧客の素直な反応や求めているものを調査する際にも役立つでしょう。

コンテクスチュアルプロトタイプ

6-3.デザインプロトタイプ

デザインプロトタイピングとは、製品の見た目に関する情報を検証するために、デザイン案やビジュアルコンセプトを落とし込んだ試作品を作成する手法です。
製品の形や大きさ、ボタンの位置、視認性など、評価したい項目に合わせて試作品の精度を調整します。
見た目をより完成品に近づけたい場合は、3Dプリンターなどを用いることもあります。

デザインプロトタイプ

6-4.デジタルプロトタイプ

デジタルプロトタイピングとは、グラフィックソフトを使用して試作品を作成する手法です。
コンピューター上で画像の加工や編集ができるため、紙とペンを使ったペーパープロトタイプより完成品に近いものを作りやすくなります。
ペーパープロトタイプでアイデアを形にし、改善を繰り返してある程度仕様が固まったら、デジタルプロトタイプで作成した試作品でユーザーからフィードバックをもらうのがおすすめです。

デジタルプロトタイプ

6-5.コードプロトタイピング

コードプロトタイピングとは、実際にコードを書いて試作品を稼働させ、実際の機能の一部を再現する手法です。
主にWebサイトやアプリなどの開発現場で用いられ、問題なく稼働するのか・ユーザーにとって使いやすいかといった検証を本番に近い環境で実施できます。ほかの手法と比べてコーディングをする手間や労力がかかるものの、再現性はとくに高く、顧客のニーズを満たすような改善につながりやすい点がメリットです。

コードプロトタイプ

6-6.ワイヤーフレーム

ワイヤーフレームは、主にWebサイトのレイアウト設計やデザインで活用される手法です。
画面のレイアウト枠を作成し、線と図形によって全体の構成要素を表現します。ワイヤーフレームを用いることで全体像が見えるようになるため、完成品をイメージしやすくなり、ユーザーから具体的なフィードバックをもらえるようになります。
また、チームメンバーの間でゴールを共有しやすい点もメリットです。

ワイヤーフレーム

6-7.ストーリーボード

ストーリーボードとは、新商品やサービスを利用者がどのように利用しているのかをストーリー形式にする手法です。
どのような悩みを抱えたユーザーや自社製品を選択し、どのように利用してどのような結果を得たかをイラストや動画などで表現します。
実際の利用状況を可視化することで、ユーザー目線で使いづらい部分やあまり活用されていない機能を明確にすることが可能です。また、頭の中のアイデアを整理したい場合にも役立ちます。

ストーリーボード

6-8.オズの魔法使い

プロトタイピングにおけるオズの魔法使いとは、試作品を裏側で操作して、実際に製品が稼働しているように見せる手法です。
童話の「オズの魔法使い」に登場する、魔法使いのふりをした老人が名前の由来となっています。擬似的な完成品をユーザーに体験してもらえるため、リアルな反応やフィードバックをもらいやすい点がメリットです。
また、コードなどを書く必要がないことから、プロジェクトの初期段階でも実施しやすいといった強みがあります。

オズの魔法使い(ウィザード法)

7.プロトタイピングを実施する5つのプロセス

7-1.要件定義

プロトタイピングを実施する際は、はじめに要件定義をします。要件定義とは、顧客が新商品・サービスに求める要件を整理し、必要な機能・デザイン・操作性などを決定する作業のことです。
ただし、ここでは試作品を作成できる程度の定義付けにとどめ、具体的な要件はプロトタイピング後に設定していきます。また、テストやその後のフィードバックを受けて要件定義の内容が変更になることがあります。

7-2.設計

要件定義の内容をもとに、製品やシステムの基本設計をします。ただし、本格的な設計ではなく、あくまでも試作品を作成するための工程です。プロトタイピングでは精度の高さよりもスピードが重視されるため、早く開発に移行できるよう迅速に取り組みましょう。
また、試作品のクオリティにこだわりすぎると時間やコストがかかってしまいますので、設計の段階で小規模かつシンプルに抑えておくのがポイントです。

7-3.プロトタイプの開発

設計が出来上がったら、プロトタイプの開発に移ります。スムーズに開発を進めるためにも、あらかじめ「どの項目を検証するのか」を顧客とすり合わせ、共通認識を揃えておくとよいでしょう。
また、この段階では製品やシステムの細部を作り込むのではなく、メインとなる機能やデザイン、検証する項目に絞って開発することが大切です。開発工数をできるだけ減らすことで、効率よく検証を進められるようになります。

7-4.テスト・評価

プロトタイプが完成したら、顧客へ実際に使用してもらい、テストと評価を実施します。機能面に問題はないか・使いづらいところはないか・操作性はよいかといった観点からフィードバックをもらうことで、商品やサービスの改善につなげられます。このとき、テストの目的と欲しい情報、評価項目などをあらかじめ決めておくと効率的です。また、最初に決めた要件定義を満たしているか・顧客のニーズを満たしているかも確認しておきましょう。

7-5.プロトタイプの改善

テストの結果とフィードバックの内容をもとに、プロトタイプを改善していきます。必要があれば要件定義を見直し、機能の増減や仕様の追加・変更を行います。プロトタイプを改善できたら再度テストと評価を実施して、獲得したフィードバックをもとに具体的な要件を固めていきましょう。こうしてプロトタイプの改善を繰り返していき、最終的に決定した項目が本番の開発環境で適用されます。

8.プロトタイピングを実施する際のポイント

8-1.目的を明確にする

プロトタイピングを実施する際は、何のために試作品を作成するのか目的を明確にしてから取り組むことが大切です。
目的が定まっていないまま作業を進めてしまうと、検証の精度が落ちたり、求めているフィードバックを得られなかったりする可能性があります。
どのような意図をもって試作品をつくるのか・どういった項目を検討したいのかといったプロトタイピングを通じて得たい情報を事前に決定し、チーム全体で共有しておきましょう。

8-2.顧客の本質的な要求を見極める

プロトタイピングの効果を高めるためには、顧客が何を求めているのかを本質的に見極める必要があります。ユーザーから得られるフィードバックにはさまざまな情報があるものの、なかには矛盾した意見が混ざっているケースも少なくありません。
フィードバックという名の個人的な要求ではないか・取り入れる意見が偏っていないか・できるだけ幅広いユーザーのニーズを満たせるかを判断し、情報を取捨選択することが大切です。

8-3.繰り返し検証を行う

プロトタイピングは1回実施して終わりではなく、繰り返し検証をして要件をブラッシュアップしていくことが重要です。そのためにはスピーディーに試作品を用意して、フィードバックをもとに素早くPDCAサイクルを回していくことが求められます。
また、一度に複数の機能や仕様を検証すると時間がかかってしまうため、試作品の規模は小さくしておくことが大切です。あくまでも失敗することを前提として試作品を作成し、何度も検証に取り組めるよう準備しておきましょう。

9.プロトタイピングを実施する際の注意点

9-1.目的を曖昧にしたまま進めない

プロトタイピングでは繰り返し検証することが大切ですが、目的が曖昧な状態で進めないように注意してください。
何のためにプロトタイピングを実施するのか明確になっていないと、試作品をつくることが目的になってしまうことがあります。

また、目的がはっきりしないまま検証に進んだ結果、必要なテストを予定どおり実施できなかったり、本来求めていたようなフィードバックが得られなかったりするケースも少なくありません。どのような項目で検証をするのかあらかじめ整理しておくと、目的を明確に定めやすくなるでしょう。

9-2.コストや時間をかけすぎない

試作品を作成する際は、あまりコストや時間をかけすぎないように注意してください。より顧客のニーズを満たした新商品・サービスを開発するには、プロトタイピングによって何度も繰り返し検証を行う必要があります。
そのためには、スピード感をもって短納期かつ小規模で試作品をつくることが大切です。試作品の段階で完璧な状態を目指すと時間がかかってしまうため、失敗を前提として取り組み、フィードバックの内容を取り入れながら改善を繰り返していきましょう。

9-3.顧客の要求をすべて取り入れない

試作品を作成する際、顧客からの要求を取り入れすぎないことも非常に大切です。プロトタイピングによるフィードバックは重要な情報ですが、すべての要求を取り入れていくと、開発に膨大な時間やコストがかかってしまいます。
また、顧客の意見や要求は主観が入っていることも多く、鵜呑みにし過ぎた結果、本来の目的からズレてしまうケースも少なくありません。フィードバックのなかから本質的な要求を見極め、本当に必要なものだけを取り入れていくほうがかえって効率的といえるでしょう。

10.まとめ

プロトタイピングは、新商品・サービスを開発する前に完成品に近いプロトタイプを作成し、実際の機能・デザイン・使い心地などを検証するための手法です。

ビジネス市場からフィードバックを得られるため、顧客満足度の高い製品を作りやすいだけでなく、手戻りのリスクが減り開発のスピードが上がったりプロジェクトにかかるコストや時間を短縮できたりといったメリットがあります。
フィードバックから何度も検証を繰り返すことで精度は向上するものの、試作品の精度にこだわりすぎて過剰にリソースを投入したり、顧客の意見を取り入れすぎて本来のコンセプトを見失ったりしないように注意が必要です。

また、プロトタイピングの目的が曖昧になっていると、せっかく試作品を用意してもプロジェクトが失敗につながるおそれがあります。
なぜプロトタイピングを実施するのか、目的を持って取り組むことが大切です。本記事でご紹介した5つのプロセスを参考にしながら、効果的なプロトタイピングを目指してください。

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