【最新】新規事業の立ち上げに役立つフレームワーク24選

フレームワークとは、目標達成や課題解決、経営戦略などを策定する際に活用する枠組みを指します。また、ビジネスで活用する場合には、「ビジネスフレームワーク」と呼ばれ、さまざまなシーンで活躍します。実際ビジネスの場において、新規事業の立ち上げで活用したいと考えているビジネスパーソンも多いはずです。

そこで本記事では、新規事業を任された責任者やリーダークラスの方に向けて、新規事業の立ち上げで活用できるフレームワークを紹介します。新規事業の立ち上げには、市場全体を見る幅広い視野や別の角度から事業を確認する多角的な視点が必要です。フレームワークを活用すると、新しいアイデアの創出や事業化へのプロセス作りに役立ちます。

フレームワークを活用すべきタイミングや使用するメリットなども紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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目次

1-1.新規事業を立ち上げる目的

1-1.企業の持続発展に向けたリスクヘッジのため

新規事業を立ち上げる目的のひとつとして、企業の持続発展に向けたリスクヘッジがあげられます。

企業を取り巻く市場の動向は絶えず変化しており、展開する事業に偏りがあると安定した収益を確保できません。さまざまな市場の変化に対応し長期的に業績を安定させるためには、複数の収入源の確保が重要といえます。

新規事業を立ち上げることで、新たな収入源を確保でき、長期的なリスクヘッジにつながるでしょう。仮に既存事業の収益が減少する状況でも、新規事業が軌道に乗れば、経営に与える影響は少なくなるはずです。

新規事業の成否は、企業の将来を左右するといっても過言ではありません。そのため、新規事業の立ち上げを任された責任者やリーダークラスの方は非常に重い責任を背負いますが、昇進や社内での信頼形成にとっては大きなチャンスです。

本記事で紹介するフレームワークを活用し、自身の手腕を存分にアピールできるようにしてください。

1-2.経営人材育成の機会創出のため

経営人材を育成する機会の創出は、新規事業を立ち上げる目的のひとつです。

新規事業の立ち上げは既存事業と異なり、0から1を生み出す過程が求められます。立ち上げを指揮する経験は、担当する責任者やリーダークラスのマネジメント力を大きく成長させることができます。

また、新規事業の事業計画を立案する際には、中長期的な目線でマーケティング戦略の構築が必要です。これらの経験を通じて、経営者としての視点も養え、今後は企業の経営人材として長期にわたり活躍します。

新規事業の責任者やリーダークラスは、事業の成功を託されるだけでなく、「今後の企業の中核を担う存在に成長してほしい」という上層部の思いが込められています。会社だけでなく、自身も成長する大きなチャンスと捉えポジティブに取り組みましょう。

人材育成の機会は既存事業でもありますが、新規事業の担当に任命された人材は、これまでにない経験が得られます。立ち上げを通じて経営者視点を養うことができるため、今後の企業を担う中心人物の育成にもつながるでしょう。

新規事業における人材選びは、成功確率を高められる人材かどうかという視点も重要ですが、将来性やポテンシャルの高さも判断基準です。今はまだ経験が浅くても、新規事業を通じて急成長を見せる人材は数多くあります。

人的リソースは、貴重な経営資源のひとつです。貴重な育成の機会となる新規事業の担当者選びは、多角的な視点から慎重におこないましょう。

2.新規事業を立ち上げる際に必要なステップ

新規事業を立ち上げる際のプロセスは、大きく分けて以下の4つです。

  • アイデア出し
  • 市場調査
  • 事業内容構築
  • 事業評価・改善

新規事業を成功に導くためには、土台となるアイデア出しが重要です。後半で解説するビジネスフレームワークを上手に活用すれば、効率よく多くのアイデアを生み出せるでしょう。

そのあとは市場調査を入念におこない、顧客のニーズを正確に把握します。インタビューやアンケートなどの手法を通じて、自社の強みと結び付けましょう。

アイデア出しと市場調査で十分な情報を集めたら、事業内容をより具体的に構築します。自社・競合・市場の関係性を客観的に整理しながら、ビジネスモデルの構築がポイントです。

事業内容が構築できたら、まずは大規模に展開するのではなくスモールスタートで新規事業を立ち上げ、評価・改善を繰り返しながら軌道に乗せましょう。一般に新規事業が黒字化するまでには時間がかかりますが、最初はスモールスタートで失敗を恐れず、最初の第一歩を素早く実行をすることで、計画段階では想定していなかったようなリアルなフィードバックや気づきが得られます。これらの評価や気づきに基づく事業改善が進むことで、新規事業立ち上げプロセスの進度が格段に早まります。フレームワークを活用し、計画段階から実行段階に素早くフェーズを移すことで、新規事業が成功する確率が向上します。

3.新規事業の立ち上げでフレームワークを使用するメリット

3-1.効率性が高まり時間の節約に繋がる

新規事業の立ち上げでフレームワークを使用するメリットとして、効率性を高めることで時間の節約につながる点があげられます。

新規事業を立ち上げる際、上記で解説したそれぞれのプロセスに割ける時間は有限です。限られた時間で質のよい成果を出すには、効率を高めることが最も重要です。

ビジネスフレームワークを活用することで、短時間でも効率的に思考を整理し、効果的なアプローチができます。時間の短縮につながれば、その分をほかのプロセスに活かせるでしょう。

ただし、短時間で成果を出すにはプロセスに適したフレームワークの選択が必要です。内容や目的と合致したフレームワークを選択しなければ、狙った効果は十分に得られません。

3-2.思考の抜け漏れや重複を防げる

思考の抜け漏れや重複を防げる点も、新規事業でフレームワークを使用するメリットです。

新規事業はノウハウが少ない状態でスタートすることが多く、検討段階では話がまとまりにくいことが予想されます。時間だけが過ぎると、抜け漏れや重複が発生する可能性は高まるでしょう。このような状態で議論を進めてしまうと、気づいた時には修正が困難です。

そのため、検討段階で可能な限り抜け漏れや重複を防ぐことが重要です。ビジネスフレームワークを活用すれば、多角的な視点でテーマを検証でき、網羅的な議論ができます。

「互いに重複せず、全体として漏れがない」という状態を表す、MECE(ミ―シー)という言葉があります。「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の頭文字を取った造語です。

効果的で効率的な事業展開のためには、検討段階での抜け漏れや重複の防止が非常に重要です。適切なフレームワークを活用し、早期にMECEの状態を目指し、のちの修正を可能な限り抑えましょう。

3-3.情報共有が容易になる

情報共有が容易になる点も、新規事業の立ち上げでフレームワークを活用するメリットといえるでしょう。

新規事業は0から1を生み出す過程が求められるため、各部門から必要な人材を配置する必要があります。新たに編成されたメンバー間で、コミュニケーションをこまめに取りながら情報の共有をおこなうのは容易ではありません。把握する情報のレベルやこれまでの職場や職務上の役割に個人差が生じてしまうので、効果的な議論が難しくなります。

フレームワークを活用することで、共通の「型」を基にした議論ができます。メンバー間の情報の粒度を統一化し、方向性を再確認する手助けとなるため、議論のレベルを引き上げられるでしょう。

また、情報共有が容易になることで、意思決定のスピードアップが見込めます。新規事業の立ち上げは、絶えず変化する市場のニーズに柔軟に対応する必要があるため、意思決定のスピード感を高めることは非常に重要です。

4.アイデア出し・アイデア整理に役立つフレームワーク

4-1.マンダラート

マンダラートとは、3×3で構成された9つのマスを活用することで、アイデアを拡散していくビジネスフレームワークです。

真ん中のマスにテーマを記入し、周囲の8マスにテーマに関連するアイデアを記入します。その後、新たに9マスの表を用意して生み出した関連アイデアを中心に置き、同じ作業を繰り返せば段階的な発想の拡散が可能です。

マンダラートを活用することで、複雑な思考が整理され、目的までの道筋が明確になります。アイデア出しは特に順序立てた思考が困難となるケースも多いため、マンダラートはアイデア出しに有効なビジネスフレームワークといえるでしょう。

4-2.SCAMPER法

SCAMPER法は、以下の7つの要素を基にアイデアを展開していくフレームワークです。

  • Substitute(代用)
  • Combine(結合) 
  • Adapt(応用)
  • Modify(修正)
  • Put to other uses(転用)
  • Eliminate(削減)
  • Reverse・Rearrange(逆転・再編成)

7つに対応する答えを検討していくことで、元のアイデアをさまざまな角度から派生できます。

SCAMPER法はかけた時間の分だけよい成果を得られる訳ではないため、時間制限を設けて短時間で集中しておこなうことがポイントです。一般的に、10〜30分程度がSCAMPER法に適した作業時間といわれています。活用する際は、作業時間も意識してみましょう。

4-3.ブレインストーミング

ブレインストーミングとは、複数人のメンバーで集まり可能な限りアイデアを出し合うことで、新たな発想を生み出すフレームワークです。

質にこだわらず、思いつく限り大量のアイデアを複数人で出し合うことで、一人では思いつかないような斬新なアイデアを生み出せます。ホワイトボードや紙とペンさえあれば作業できるため、取り組みやすいフレームワークです。

ブレインストーミングはアイデア出しに最適なフレームワークですが、集まったアイデアを整理するためには別のフレームワークの活用が効果的です。

たとえば、集まったアイデアを紙に記入しグループ化する「KJ法」を活用すれば、アイデアを視覚化しながらブレインストーミングで生み出したアイデアをロジカルに整理できるでしょう。

4-4.マインドマップ

マインドマップは、メインテーマからアイデアを分岐させるように生み出すことで、新しい着想をえるフレームワークです。

マインドマップの特徴として、一人でも複数人でも作業できる点があげられます。一人で作業する場合は紙とペンを使用し、複数人でおこなう場合はホワイトボードなどを活用しましょう。

また、生み出されたアイデアを階層的に把握できる点は、マインドマップを利用する最大のメリットです。関連性の高いアイデアが一目でわかるため、視覚的に整理しながらアイデア出しができます。

ただし、マインドマップには斬新なアイデアが集まりにくい欠点もあります。アイデア出しでフレームワークを活用する際は、状況に応じて適切に使い分けましょう。

4-5.5W1H

5W1Hは、テーマが抽象的である場合に有効なアイデア整理のフレームワークです。

Who(だれが)・When(いつ)・Where(どこで)・What(なにを)・Why(なぜ)・How(どうやって)の6つの視点に切り分けてアイデアの整理をおこなうことで、情報の過不足を防げます。また、アイデア整理に留まらずそれ以降のプロセスにも活用できるため、用途の広いフレームワークといえるでしょう。

5W1Hには、Whom(だれに)・How many(どれだけ)・How much(いくらで)の3つの要素を新たに加えた、「6W3H」と呼ばれる派生形のレームワークもあります。より情報を具体的に整理できるため、積極的に活用しましょう。

4-6.ペルソナ分析

ペルソナ分析とは、新規事業を利用する顧客像をより具体化し、事業の方針を定めるフレームワークです。年齢層や性別・職業などの基本的な要素に加え、価値観なども深堀りしていくことで、新規事業が応えるべきニーズを明確にします。

ペルソナ分析をおこなう際は、顧客に課題や悩みが生まれたあと、自社の製品やサービスを利用するまでの過程をストーリーでイメージする手法が効果的です。顧客のニーズに対して、最適なマーケティング戦略の構築に役立ちます。

ビジネスの基本は、顧客のニーズに応えることです。これから参入する市場の顧客ペルソナを具体的に理解しなければ、新規事業の成功は難しいといえるでしょう。

4-7.ミッション・ビジョン・バリュー

ミッション・ビジョン・バリューは、自社の社会における存在意義や役割を策定し、メンバー間で共有する際に役立つフレームワークです。ミッションとは「事業を通じて果たすべき役割」、ビジョンは「事業における将来のあるべき姿」、バリューは「価値観や行動指針」をそれぞれ表しています。

新規事業を推進する際は、「やるべきこと」と「やるべきではないこと」の境界が曖昧になるケースが出てきます。ミッション・ビジョン・バリューを明確に策定しておけば、判断に悩む際の指標となるでしょう。

ミッション・ビジョン・バリューは、プロジェクトメンバーに向けた行動指針の役割や、顧客やパートナーに向けたメッセージとしても機能します。そのため、共感や感動を誘う言葉で構成された端的な表現がおすすめです。

4-8.マトリクス法

マトリクス法は、生み出されたアイデアを評価する際に効果的なフレームワークです。

マトリクス法では、アイデアを評価する評価軸を縦軸と横軸で分類します。たとえば、期待できる効果や初期コスト、競合の数などの変数を採用すれば、新規事業のアイデアを視覚的にわかりやすく評価できるでしょう。

マトリクス法には、マッピングや表を活用する派生形も存在します。それぞれ得意とするシーンが異なるため、状況に応じて最適なフレームワークを選択してください。

また、マトリクス法はアイデア整理以外にも、事業の現状分析や課題解決を議論する際などに広く活用されています。新規事業を展開したあとの段階でも役立つフレームワークであるため、覚えておくとよいでしょう。

4-9.リーンキャンバス

リーンキャンバスは、アイデアを9つの要素に分類して整理するフレームワークです。新規事業のスタートアップに重要な要素を中心に設計されており、アイデアの評価・検証にも役立ちます。

リーンキャンバスを構成する9つの要素は、以下のとおりです。

  • 顧客の課題
  • 顧客セグメント
  • UVP(提案の価値)
  • ソリューション
  • チャネル
  • 収益の流れ
  • コスト構造
  • 主要指標
  • 圧倒的な優位

リーンキャンバスを作成する際は、それぞれの要素に詳しい人材を交えて議論することで、効果的な分析ができます。一人での作業には不向きなフレームワークなので、注意しましょう。

4-10.ビジネスモデルキャンパス

ビジネスモデルキャンバスは、アイデア整理に活用できるフレームワークです。上記で解説した「リーンキャンバス」に類似するフレームワークですが、評価項目が以下のように異なります。

  • 主要パートナー
  • 顧客セグメント
  • UVP(提案の価値)
  • 主要活動
  • チャネル
  • 収益の流れ
  • コスト構造
  • 主要リソース
  • 顧客との関係性

リーンキャンバスは、自社の課題や競合に対する優位性などの観点からアイデアを評価するフレームワークです。対して、ビジネスモデルキャンバスは既存のパートナーや顧客との関係性・主要活動から、さらに付加価値を高める方法を検討するフレームワークです。

そのため、新規事業の立ち上げ時に使用する際は、リーンキャンバスの方が向いているといえるでしょう。

4-11.ロジックツリー

ロジックツリーは、課題解決方法を模索する際に多く使われるフレームワークです。テーマを幹として問題点をツリー上に分解し、課題解決に向けた適切なアプローチの構築に活用します。

一方で、ロジックツリーはアイデア出しをおこなう際にも活用できるフレームワークです。課題解決の場合と同じ要領で、幹となるテーマからアイデアを細分化して書き出していき、論理関係を明確にしたうえで多くの着想をえられます。

優先度や重要度を視覚化しながらアイデア出しをおこなう場合には、おすすめのフレームワークといえるでしょう。

5.市場調査・マーケット分析に活用できるフレームワーク

5-1.3C分析

3C分析とは、Customer(顧客)、 Company(自社)、Competitor(競合)の3者の視点から市場を分析し、有効な経営戦略の構築に役立つフレームワークです。

3C分析を活用すれば、自社の強みや弱み・競合との優位性を分析でき、市場においてどの程度のシェアを獲得できるかが予測できます。また、顧客のニーズや属性と自社製品・サービスを効果的に結び付けることで、最適なアプローチ方法の模索に役立つでしょう。

3C分析の中心は一次情報です。可能な限り客観的な一次情報を収集することで、3C分析の精度は高まります。また、3C分析における3つの要素は市場において変化するため、定期的に情報を更新したうえでの活用が重要となるでしょう。

5-2.STP

STPは、Segmentation(市場の細分化)・Targetting(参入市場の決定)・Positioning(立ち位置の確認)の3つの単語の頭文字をとったフレームワークです。市場における自社の立ち位置を把握する際に役立ちます。

STPでは、Segmentationで市場の全体像を把握し、Targettingで参入する市場を決定、Positioningで競合との関係を把握し、市場における自社の立ち位置を明確にするといった流れで進行します。とくにユーザー目線を意識し分析をおこなうことが、STPにおいて非常に重要な要素です。

5-3.ポジショニングマップ

ポジショニングマップは、上記で解説したSTPにおける「Positioning」を考える際に有効なフレームワークです。一人で分析をおこなう際にも、チームで議論する際にも活用できるため積極的に利用しましょう。

ポジショニングマップでは、上記の図表のように顧客が商品を購入・利用する際に重要視する要素を縦軸と横軸で表します。そして、作成した二次元マップに自社および競合を配置することで、視覚的にわかりやすく市場における競合との位置関係の把握が可能です。

ポジショニングマップを効果的に活用するためには、縦軸と横軸に配置する要素を適切に選定しましょう。無意味な項目でポジショニングマップを作成すると、効果の薄い分析になってしまいます。

5-4.SWOT・クロスSWOT分析

SWOT分析とは、市場において自社の状況や競合との関係を、4つの重要な要素から分析するフレームワークです。

SWOT分析は、Strength(強み)・Weakness(弱み)・Opportunity(機会)・Threat(脅威)の4つの要素で構成されます。StrengthおよびWeaknessが内部環境、OpportunityおよびThreatが外部環境を表しており、それぞれの視点から経営戦略を構築する際に役立つでしょう。

また、SWOT分析には上記4つの要素をクロスして分析をおこなう「クロスSWOT分析」と呼ばれる派生形のフレームワークが存在します。内部要因・外部要因で分析したものを、「強み×機会」「強み×脅威」「弱み×機会」「弱み×脅威」で組み合わせることで、より深い分析が可能です。

5-5.PEST分析

PEST分析は、マクロ環境を整理する際に効果的なフレームワークです。政治(Politics)・経済(Economy)・社会(Society)・技術(Technology)の4つの単語の頭文字をとり、それぞれの視点から外部環境を分析します。

PEST分析の一般的な流れは以下のとおりです。

  • 環境要因の対象を設定
  • 情報収集をおこない、4つの環境要因に分類
  • 分類した環境要因を「事実」と「解釈」に分類
  • 分類した事実をさらに「脅威」と「機会」に分類
  • 経営戦略に反映

外部要因は、マーケティング戦略の構築において非常に重要な要素です。新規事業の立ち上げを成功させるためには、外部要因が自社に与える影響の把握は必須といえるでしょう。PEST分析を上手に活用し、施策の検討・立案に役立ててください。

5-6.VRIO分析

VRIO分析は、Value(価値)・Rarity(希少性)・Imitability(模倣性)・Organization(組織化)の頭文字から名づけられたフレームワークです。市場における競合との優位性を把握でき、マーケティング戦略の構築に役立ちます。

VRIO分析をおこなう際は、まず目的を明確にしたうえで、競合となる他社をイメージします。その後、上記で解説した4つの視点から自社の評価をおこない、把握した優位性をマーケティング戦略に反映させていくことがVRIO分析の一般的な流れです。

VRIO分析のメリットは、優位性を把握し自社の強みを再確認できる点や、反対に自社の弱みも自覚できる点があげられます。現実的な事業戦略の構築にもつながるため、積極的に活用しましょう。

6.事業内容の構築・マーケティング戦略の検討に活用できるフレームワーク

6-1.4C・4P分析

4C分析は、顧客視点で事業内容を構築する際に役立つフレームワークです。Customer value(顧客にとっての価値)、Cost(顧客が費やすコスト)、Convenience(顧客にとっての利便性)、Communication(顧客へのアプローチ)の4つの視点から、マーケティング戦略を構築します。

4C分析は、ターゲットを明確に設定するプロセスからスタートします。そのうえで自社の優位性を評価し、上で紹介した4つの要素の整合性を把握しましょう。あくまで顧客目線を意識することが、4C分析で重要なポイントです。

また、4C分析とよく似たフレームワークとして「4P分析」があります。4P分析は4C分析と異なり、企業目線で事業内容を構築するフレームワークです。

以前は4P分析が主流でしたが、近年では4C分析をメインで実施する企業が増えてきました。その背景として、よりよい製品・サービスを提供したいという企業側の心境変化が考えられます。

また、状況によっては4C分析と4P分析を組み合わせて活用する「クロスマーケティング」の実施もおすすめです。

また、状況によっては2つ以上のフレームワークを組み合わせて活用する「クロスマーケティング」の実施もおすすめです。上で解説した4C分析と4P分析を同時に実施し、企業目線と顧客目線の両側からマーケティングをおこなうことで、明確にした需要と供給をすり合わせることができます。

6-2.ファイブフォース分析

ファイブフォース分析は、参入する市場において自社が十分な利益をあげられるか、優位なポジションを確保できるかという視点で分析するフレームワークです。以下の5つの要素から構成され、業界の構造を効果的に把握できます。

  • 業界内の競合他社
  • 新規参入企業
  • 代替品の存在
  • 買い手の交渉力
  • 売り手の交渉力

ファイブフォース分析をおこなう際は、5つの要因における情報を集約しましょう。競合の特徴や製品の品質・販売価格などをリサーチし、必要な情報を整理します。そのあとは、アプローチする要因や手法を検討し、実際のマーケティング戦略に反映させてください。

ファイブフォース分析は、主に経営戦略がうまくいかない状況で課題解決のために使われますが、新規参入時の収益性の検討にも効果的です。業界の収益構造を正確に把握することで、戦略的なアプローチを組み立てられるでしょう。

6-3.カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップは、ターゲットとする顧客の購買行動を可視化した図式のフレームワークです。顧客のニーズを正確に把握し、それに対応したマーケティング戦略の構築に役立ちます。

カスタマージャーニーマップを作成する際は、まずは顧客のペルソナを設定します。そのあとは購買行動に至るまでの行動を定義し、時間軸に従い顧客の感情や体験を整理・検討していきましょう。

カスタマージャーニーマップを作成する際の注意点として、ターゲットとするペルソナの設定が明確でないと、効果が低下してしまう点があげられます。また、顧客の行動のイメージや知見が不足していなければ、ニーズに沿った製品やサービスの提供が難しくなるため注意が必要です。

7.事業の評価・改善に活用できるフレームワーク

7-1.PDCA

PDCAは、行動計画における進捗管理の手法として非常に有名なフレームワークです。Plan→Do→Check→Actionのアクションを繰り返し実施することで、事業の評価や改善をおこないながら、よりよい事業計画を構築できます。

PDCAに従い進捗管理をおこなうことで、目的や目標が明確になり、達成に向けた道筋の把握が可能です。また、問題点や課題が浮き彫りになり、改善案を検討しやすくなります。新規・既存を問わず、PDCAはあらゆるプロセスにおいて効果的なフレームワークです。

PDCAを回す際は、明確な目標設定や具体的な計画策定を心がけましょう。目標を可能な限り定量的な数値で表すことで、行動計画がより具体化されます。また、適切な時期に定期的な評価をおこなうことも重要です。

7-2.バリューチェーン分析

バリューチェーン分析は、新規事業が生み出す「価値」に焦点を当てて分析するフレームワークです。事業の内容を主活動と支援活動に分類し、それぞれの活動で価値を評価することで、効率化すべき活動を把握できます。

バリューチェーン分析をおこなう際は、まずは自社のバリューチェーンを作成し、上記で解説したように主活動と支援活動に分類します。そのうえで各活動におけるコストや強み・弱みを分析し付加価値を活動単位で認識できたら、競合の優位性を検証しましょう。

優位性の検証では、上記で解説した「VRIO分析」が役立ちます。事業の評価・改善にフレームワークを活用する際は、ひとつにこだわらず複数の手法を組み合わせることで、効果を高められます。

7-3.ECRS

ECRSとは、業務課題の洗い出しに活用できるフレームワークです。以下にあげる4つのプロセスの頭文字をとっており、段階的に実施することで無駄な業務の削減につながるでしょう。

  • Eliminate(削減)
  • Combine(組み合わせる)
  • Rearrange(再配置)
  • Simplify(シンプル化)

ほかのフレームワークは、事業計画の不足点を模索する「足し算の改善」が多いですが、ECRSは無駄を削減する「引き算の改善」が特徴です。

ECRSを活用し、無駄なコストや業務を削減することで、生産効率の向上や業務の効率化へとつながります。また、場合によっては情報管理における安全性向上などの付加価値へと発展するケースもあります。

7-4.AARRR

AARRRとは、ターゲットに設定した顧客が自社の製品やサービスを利用し、収益となるまでのプロセスを表すフレームワークです。

  • Acquisition(誘導・獲得)
  • Activation(活性化)
  • Retention(継続)
  • Referral(紹介・シェア)
  • Revenue(収益・優良顧客化)

の頭文字をとって呼ばれています。

各プロセスにおいて事業のあるべき姿を見定め部分的な改善をおこなうことで、事業全体の改善が可能です。

AARRRの効果を最大化させるためには、上記で解説した5つの要素において適切な指標の設定が重要になります。そのためには、リサーチを徹底し一次情報を充実させることが重要です。

8.新規事業の立ち上げでフレームワークを使用するポイントや注意点を解説!

8-1.複数のフレームワークを組み合わせて検討する

新規事業の立ち上げでフレームワークを使用する際は、複数のフレームワークを組み合わせた検討が重要です。

ビジネスフレームワークのなかには、ほかのフレームワークと組み合わせることで効果を高められるものがあります。たとえば「バリューチェーン分析」の項目では、競合に対しての優位性の検証で「VRIO分析」を活用することで、分析の精度を高められるでしょう。

上記のように、相性がよいフレームワークの組み合わせはいくつかあります。新規事業を立ち上げる際は時間帯効果が非常に重要な概念になるため、目的に合ったフレームワークを複数使用し個々のプロセスの効率を高め適切な事業展開を心がけましょう。

8-2.客観的な視点を持つことを心がける

新規事業の立ち上げにフレームワークを活用する際は、常に客観的な視点を持つことが重要です。フレームワークは客観的な分析を助ける役割を持っていますが、使用する一次情報に主観的な要素が含まれてしまうと効果を最大化できません。

とくに思い込みや先入観は、顧客ニーズや予測を見誤る原因となります。関連する知識や経験は役に立ちますが、不確定で主観的な情報は可能な限り排除しましょう。

定量・定性の視点から情報を正しく取得することで、客観的な分析ができます。フレームワークを使用する際は、使用する情報が客観的かどうかを常に意識しながら検証をおこないましょう。

8-3.自社の理念やビジョンと関連付ける

新規事業の立ち上げにフレームワークを活用する際は、自社の経営理念や将来的なビジョンと関連付けた議論を意識しましょう。

事業展開を成功させるためには、顧客のニーズを正確に把握し、良質な事業計画の策定が重要です。しかし、それだけでは新規事業の立ち上げを成功させることはできません。「なぜ自社がそれをやるのか」という目的や意義を見出せなければ、目指すべき目標を見失ってしまうでしょう。

市場における自社の参入意義を見出すためには、経営理念やビジョンと関連付けて事業計画を議論できるフレームワークを活用しましょう。上記で解説した「ミッション・ビジョン・バリュー」などのフレームワークを活用すれば、自社が社会において果たすべき役割を再確認しながら、マーケティング戦略を構築できます。

8-4.フレームワークを使うことが目的とならないよう注意する

新規事業の立ち上げでフレームワークを使用する際は、フレームワークを使うこと自体が目的にならないよう注意しましょう。フレームワークの使用で満足してしまい、目的と手段が逆転するケースがあります。

フレームワークは、あくまで新規事業を立ち上げる各プロセスを効率化し、目的達成のための事業計画を分析・評価するツールです。そのため、明確な目標設定がされていなければ、フレームワークを使用する意義を見失ってしまうでしょう。

ここまで解説したように、ゴールや目標までの道筋を検証できるフレームワークは数多くあります。これらのフレームワークを活用しながら、目標達成のためにやるべきことを明確化し、事業計画に反映させてください。

まとめ

新規事業の立ち上げでフレームワークを使用するメリットや、実際に活用すべきシーンに合わせたフレームワークを紹介しました。新規事業を立ち上げる際は、多角的な視点や幅広い視野が必要です。また、メンバー全員で共通認識を持つ必要があります。そのような場面で活躍するのが、フレームワークです。

まずは、どのようなフレームワークがあり、実際に使うシーンを確認しましょう。また、使用時の注意点を確認し、客観的な視点や複数のフレームワークを活用することがおすすめです。

新規事業を任された責任者やリーダークラスの方は、本記事を参考にフレームワークを活用し、新規事業の立ち上げを進めてください。

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