34%の企業がオウンドメディアを運用中!オウンドメディア事例調査-東証グロース市場の上場企業編

オウンドメディアの事例調査

多くの企業で運用されているオウンドメディア。企業がコンテンツチャネルを直接管理・運用することで、自分たちが本当に伝えたいメッセージを顧客に届けることが可能となります。
そのポテンシャルをうまく活用し、ブランドと顧客の間に新しい関係性を築くことに成功している事例も数多く見受けられます。

一方で、導入はしたもののどのように活用すればいいのか、イマイチよくつかめない。そもそも活用の仕方自体がわからないので、興味はあるものの導入することに尻込みしてしまうという経営者や部門責任者も少なくありません。

ミモズカンパニーでは、オウンドメディアの現状を知るため、各企業がどのようなオウンドメディアをどのような目的で運用しているのか、東証グロース市場に上場している企業全563社(2023年1月末時点)の事例を徹底調査しました。
企業のオウンドメディアの運用状況を知るとともに、各オウンドメディアの事例をあげ、特徴を紹介しています。

すでにオウンドメディアを運用している企業や、これから運用を検討しているという企業にも参考になる事例調査となっています。
オウンドメディアの活用方法と可能性を探求してみてください。

目次

1.オウンドメディアとは?企業オウンドメディアの運用状況

1-1.オウンドメディアとは?

オウンドメディアとは企業が独自に所有するメディアと定義されています。
しかし、それ以外にはこれといった条件が確立されているわけではありません。企業マーケティングにおいてメディアを3つに分類することを、トリプルメディアと呼んでいます。
その中の一つとして「オウンドメディア」があり、他二つは「ペイドメディア」「アーンドメディア」です。

トリプルメディアの概念

今回の事例調査では、当社独自の条件でオウンドメディアを「自社サイト版オウンドメディア」と「note版オウンドメディア」の二つに分類しました。
条件に該当するメディアのみ、本記事ではオウンドメディアとしてカウントしました。 

「自社サイト版オウンドメディア」の条件は主にWordPressやMovable TypeなどのCMSを使い、自社サイトおよび自社ブランドのサイトで情報発信をしているものになります。

「note版オウンドメディア」の条件はnote株式会社が提供するメディアプラットフォーム「note」を用いて企業名で情報発信しているものになります。

1-2.3割を超える企業がオウンドメディアを運用している

今回調査を行ったグロース上場企業563社中、オウンドメディアを運用している企業数は194社、約34%になりました。
自社が直接運用するメディアとしての役割を果たしながら、ブランドメッセージや価値を伝える手段としての有効性に多くの企業が価値を認めていることがうかがえます。

東証グロース市場の上場企業 オウンドメディアの割合

2.オウンドメディアの種類 

2-1.自社サイト版オウンドメディア

オウンドメディア運用企業194社のうち32社が、自社サイトや自社ブランドにて同じサイト内や別のサイトを立ち上げてオウンドメディアを運用していました。
自社サイトのオウンドメディアは企業のブランディングに合致したデザインや機能を自由自在にカスタマイズできることがメリットです。

一方で、カスタマイズされたデザインの設計や機能の設定に時間や費用がかかり、容易に導入することができないためか、全体の17%に留まっています。

2-2.note版オウンドメディア

最も多くの企業で活用されているオウンドメディアはnoteでした。オウンドメディア運用企業194社のうち162社がnoteユーザーです。そのシェア率はなんと83%にもなります。
note株式会社が、noteをオウンドメディアとして活用することを積極的に推奨していることもあり、オウンドメディア界では圧倒的な存在感を示しています。

一方、自社サイト版オウンドメディアを運用している企業は32社でした。テンプレートのあるプラットフォームを用いるのと、オウンドメディアとしてイチからサイトを立ち上げるのではハードルの高さが相当に異なるということが、noteのシェア率で改めて確認できました。

東証グロース市場の上場企業 オウンドメディアの種類

2-3.FacebookとYouTube

コンテンツマーケティングの一環として多くの企業が活用しているFacebookとYouTubeについては、本記事ではオウンドメディアとしてはカウントしておりません。
しかし、運用状況の調査については調査しました。
東証グロース上場企業全563社中、Facebookを運用している企業は318社、YouTubeは90社でした。
Facebookは日本語版の公開が2008年で、16年の歴史の積み重ねによる普及度やネームバリューを考えれば納得の数字といえます。

一方、YouTubeも普及度・ネームバリューともFacebookに優るとも劣らないと言えますが、Facebookよりも運用している企業は少ないです。
恐らく運用にかかるコストがずいぶん異なるためだと思われます。例えば、YouTubeで1本の動画をアップロードするだけでも、企画立案→台本作成→撮影準備→撮影→編集と多くの工程を踏む必要があります。
人的リソースが豊富な大企業であれば、YouTubeのための人員を用意するのも難しくはないでしょうが、上場企業とはいえ、人員の余裕がないところも少なくないでしょう。
それでも、東証グロース上場企業の約15%もがYouTubeを運用しているのは、動画だからこそできるコンテンツマーケティングに高い価値を見出していることがうかがえます。

東証グロース市場の上場企業 FacebookとYoutube運用割合
東証グロース市場の上場企業 オウンドメディア種類別利用状況

3.オウンドメディアの目的は?どのように使われているのか

オウンドメディアの運用目的は、広報・宣伝、採用、IRの3分野が中心となっています。

広報・宣伝では、自社の商品やサービスついての解説のほか、開発に携わったスタッフのインタビューを通じて商品やサービスに込められた思いや技術を伝えているケースも多く見られました。
採用では、単に募集条件を告知するだけにとどまらず、その企業で働く価値や求められている人材像を示すために、入社歴の浅い若手社員へのインタビューを掲載するなどしているところが目立ちます。

基本的には一つのオウンドメディア内でカテゴリを分けるなどして3つの分野を並行して扱っている企業が大半ですが、ごく少数ではあるものの、採用やIRに特化したオウンドメディアを運用している企業もありました。

オウンドメディアの目的別利用状況割合

4.【10選】個性で魅せる自社サイト版オウンドメディア

自社サイト版オウンドメディアは、既存のメディアプラットフォームではなく、あえて自社サイト版オウンドメディアを運用しているだけあって、デザインに凝っていたり、掲載するコンテンツに工夫が見られたりするものが目立ちます。
運用数自体はそこまで多いとはいえないものの、いずれの企業もこだわりと熱意をもって情報発信に取り組んでいることが非常によく伝わってきます。

当社で厳選した、こだわりを感じさせる、個性的な10社のオウンドメディア事例を紹介します。

4-1.フリー株式会社“freee Developers Hub”

https://developers.freee.co.jp/

会計ソフトなどのクラウドサービスを提供する企業による「開発情報ポータルサイト」という位置づけのオウンドメディアです。
会社の取り組みがよくわかるほか、エンジニアを目指す人やエンジニアとしてのスキルアップを図りたい人にとっても有益な情報が多いのが特徴です。
中には、「QAマネージャーやってみての失敗談」のような、同じ立場の人なら思わず共感してしまいそうな記事も掲載されています。

4-2.株式会社ココルポート“Officeブログ”

https://www.cocorport.co.jp/officelist/tokyo/kitasenjyu/bloglist/

障がい者の就職支援をはじめとする福祉サービス事業を提供する株式会社ココルポートのオウンドメディアです。
本部だけでなく、全国72カ所に設置されている「Office」と呼ばれる就労支援事業所ごとにブログを運用しており、情報発信にとても力を入れていることが見て取れます。
具体的には、就労支援事業所ごとの雰囲気がわかる施設の写真やスタッフの写真、サービスがわかるプログラムなどが掲載されています。
本業の情報以外にも、「快眠の秘訣」や「指ヨガ」などの健康に関する情報も発信しており、誰にとっても役立つ情報もたくさん掲載されています。

 4-3.株式会社Aiming“開発者ブログ”

https://developer.aiming-inc.com/

スマートフォン向けオンラインゲームの開発・配信を行っている 株式会社Aimingのオウンドメディアです。
株式会社Aimingのオウンドメディアは「開発者ブログ」と銘打っているだけに、技術的な話題が確かに多いです。

しかし、そんな中で際立って目を引いたのが「新卒クソゲーコンテスト」の記事です。新卒者を対象にした社内コンテストのようなのですが、ゲーム会社らしい遊び心溢れる取り組みがユニークです。
設計図や開発したゲーム画面の動画を公開していたり、反省点も記していたりして、ゲーム開発現場の一端も垣間見ることができます。

 4-4 株式会社カオナビ“うにくえ|個性って、なんだ?”

https://unique.kaonavi.jp/

 クラウド人材マネジメントシステム「カオナビ」の提供を行う企業のオウンドメディアです。
まず「うにくえ|個性って、なんだ?」という名称だけで、どんな情報を扱っているオウンドメディアなのだろうと興味をひかれてしまいます。
運用する株式会社カオナビは多様な個性や価値観を重視する企業姿勢をはっきりと打ち出しているだけあって、オウンドメディアでも「個性の探求」をテーマに据えています。

コンテンツとしては天文学や哲学など、さまざまな分野で活躍している人々に「個性」について語ってもらうインタビュー記事が軸となっており、読み物としても楽しませつつ、企業のブランディング構築にも寄与させるという、ユニークなタイトル名とは裏腹な深い戦略を感じさせる運用がうかがえます。

 4-5.スパイダープラス株式会社“SpiderClass”

https://jobs.spiderplus.co.jp/spider-class

 建設業向けの図面管理システム「SPIDERPLUS」の開発および販売を行っているスパイダープラス株式会社のオウンドメディアです。
同社が参加したイベントの情報や顧客である建設事業者の紹介記事が中心ですが、「働き方改革関連法」に紐づけて独自に行った建設事業者の労働環境調査のレポートなどもあり、非常に興味深いです。
建設業界はもちろん社会的にも関心の高い「働き方改革関連法」の認知度や、労働時間短縮のためにどのような取り組みを行っているかなど、建設業界を取り巻く労働環境の一端を垣間見ることができます。

 4-6 株式会社ビザスク“ビザスクエア”

https://square.visasq.com/

 スポットコンサルのプラットフォーム「ビザスク」の運営元のオウンドメディアです。
「オープン社内報」として、社内のさまざまな個人や部門へのインタビュー記事を公開しています。

特にユニークなのが、「ビザスク部活通信」です。その名のとおり、社内の部活動についての紹介記事なのですが、バドミントン部やバスケ部といった割と学生時代からおなじみの部活動から、日本酒部や激甘部、激辛部などという変わり種まで幅広いジャンルの部活動が行われているようです。
2024年2月10日時点で15の部活が取り上げられていますが、いったいいくつの部活動が存在するのか、気になるところです。

 4-7.アライドアーキテクツ株式会社“SMMLab”

https://smmlab.jp/

アライドアーキテクツ株式会社は、Facebookなど国内外のSNSを活用したマーケティング施策の支援を行っており、3つのオウンドメディアを運用しているうちの一つがこの「SMMLab」です。
他二つは本業との関連が深い、中国のマーケティングにフォーカスする「CNMLab」、自社のUGC活用ツールLetroの活用事例がメインの「UGC活用ブログ」というオウンドメディアです。

「SMMLab」では「SNS広告運用マニュアル」や「SNSキャンペーン事例」など、企業のマーケティング担当者にとって有用な情報が盛りだくさんです。
「SMMLab」以外のオウンドメディアもコンテンツが充実しており、読み応え満点に仕上がっています。

4-8.株式会社AViC“A Book(エイブック)”

https://avic.jp/abook/

デジタルマーケティングサービスを提供する株式会社AViCオウンドメディアです。
公式ブログという位置づけで、「社長ブログ」「社員図鑑」「事業」「カルチャー」「インタビュー」の4つのカテゴリを有しており、内容の充実ぶりが目を引きます。コンテンツのつくり込みにも力が入っています。

例えば「事業」では、クライアントへのインタビュー記事が掲載されており、テキストと写真だけでなく図や動画をふんだんに用いるなど、雑誌記事の誌面のようなおもむきで非常に手が込んでいます。これだけ丁寧な記事であれば、インタビューを受けたクライアントの満足度も高いのではないでしょうか。

 4-9.株式会社アイキューブシステムズ“なるモ”

https://narumo.jp/

モバイル用デバイス管理「CLOMO」などのアプリケーションを提供している株式会社アイキューブシステムズのオウンドメディアです。
オウンドメディアのタイトルの「なるモ」は「なるほどモバイル!」に由来しているようです。その名のとおり、「なるモ」のコンテンツはビジネスシーンのモバイル活用法がテーマになってます。
「社用スマホ紛失時の正しい対処法」「災害時に『ガジェット』で身を守る方法」「繋ぐと危険な野良Wi-Fiとは?」といった身近で役立つ情報が豊富に掲載されています。

4-10.ジャパニアス株式会社“BLOG”

https://jna.co.jp/blog

AIやIoTなどのエンジニア事業やシステム開発を行うジャパニアス株式会社のオウンドメディアです。同社のオウンドメディアのタイトルはシンプルに「BLOG」。
構成としては「機械学習・AI」「ITエンジニア」「エンジニア基礎知識」の3つのカテゴリに分かれており、自社に関連したことよりも、一般的な情報の提供に力を入れている点が特徴です。

例えば、「エンジニアの転職で失敗する理由5選と対策方法を解説」「SEの具体的な仕事内容・役割とは?必要な開発スキルから能力、転職方法を解説」「プログラマーになるために資格は必須?おすすめの資格を難易度別にご紹介」など、IT関連の仕事を目指していたり、同分野でのスキルアップをこころざしている人に役立つ情報が数多く掲載されています。

 5.【10選】アイデアが輝くnote版オウンドメディア

 今回の調査によって、note版のオウンドメディアがオウンドメディアのプラットフォームとして圧倒的な存在感を示し、急速な拡大をしていることが明確になりました。
運営元のnote株式会社も法人ユーザーの拡大に積極的に取り組んでいることもあり、この傾向は今後さらに拡大していくことが予想されます。

noteをオウンドメディアとして運用する場合、共通のプラットフォームを使用しているだけに、単なる情報発信だけでは没個性的になってしまいがちです。
他社との違いを明確に打ち出すにはコンテンツの質がより重要になってきます。

当社で厳選した、工夫を凝らしてnoteをオウンドメディアとして活用している10社の事例を紹介します。 

5-1.note株式会社

https://note.jp/

 note株式会社はnoteの開発・運営元です。いわばnoteの本家本元によるnote版オウンドメディアといえます。
特徴としては、なんといってもコンテンツのバリエーションが非常に豊富であることです。
自社の忘年会の模様やオフィス紹介などといった定番モノから、ChatGPTの使い方の実用的な情報、noteのプロダクトデザインについての解説など、多岐に渡る情報を発信しています。

 5-2.株式会社GENDA

https://note.com/genda_jp

 株式会社GENDAは、ゲームマシンのレンタルやオンラインクレーンゲームサイトの運営を行っています。
同社のnote版オウンドメディアは、社員インタビューがメインです。自社のテックチームの存在と、自社で働くことに興味を持ってもらうことを目的としたオウンドメディアであると明記されており、エンタメ業界を目指している学生や転職を考えている第二新卒などへの訴求力も期待できそうです。

 5-3.株式会社 GA technologies

https://note.com/gatech/

 株式会社GA echnologiesは、オンライン不動産取引マーケットを行う「RENOSY」の開発及び運営を行う企業です。
こちらのnote版オウンドメディアは、グループ企業で共有していることもあり、コンテンツが非常に豊富です。グループ内の企業・部門横断的に、いろいろな社員が記事を執筆しているのも特徴です。

構造方程式モデリング(SEM)の専門的な解説から、男性社員の育休体験記のような自社の福利厚生制度の紹介にからめた記事、さらには自転車で富士山を登った話など、仕事とは無関係のプライベートのゆるやかな話題も掲載していて、硬軟織り交ぜた情報を楽しめます。

5-4.カバー株式会社

https://note.cover-corp.com/

カバー株式会社は、バーチャルYouTuber(VTuber)配信システム「ホロライブ」の展開や、VTuber事務所のホロライブプロダクションの運営などを行っています。
同社のnote版オウンドメディアは、エンジニアによるテクノロジー系、ホロライブ運営による企画・イベント系、メンバー紹介、ニュース発信の4本立ての構成になっています。
おすすめ記事をまとめた投稿もあり、より多くの人に読んでもらいたいという姿勢が見て取れます。オウンドメディアでの情報発信にかなり力を入れているようです。

5-5.株式会社アイリックコーポレーション

https://note.com/irrc_7325

来店型保険ショップ「保険クリニック」を運営する企業のnote版オウンドメディアです。
IR用と銘打ってはいるものの、IRとまったく関係なさそうな投稿も多いのがユニークです。「本日のトピックス」というタイトルで、その日に起こった歴史的出来事を紹介したり、ニュースのヘッドラインを掲載したり、クイズまであります。
クイズの正解を次の更新時に記載しているのは、読者をつなぎとめておく工夫でしょうか。
担当者が変わったのか、運用方針を改めたのか、2022年8月31日を最後に「本日のトピックス」の連載は止まっているのが残念です。

5-6.株式会社フーディソン

https://note.com/foodison

飲食店向け鮮魚仕入ECサイト「魚ポチ」の運営などを行う株式会社フーディソンのnote版オウンドメディアです。
「水産ITベンチャー」という業態を自称するユニークな会社だけに、発信される情報も興味深いものばかりです。

特に興味をひかれたのが、魚の流通の仕組みの解説記事です。普段私たちの食卓にあがる魚がどうやって運ばれてくるのかを知れるだけでなく、その問題点を同社がどう認識しており、どのように変えようとしているのかも理解できる記事となってました。
魚屋でのしごと体験レポートなど、ちょっとした社会学習ができるのも面白いところです。

5-7.地盤ネットホールディングス株式会社

https://note.com/jibannet_id

地盤ネットホールディングス株式会社は、その名のとおり住宅地盤解析事業を展開する自社グループを統括する企業です。
ここでは同社のグループ企業の一つ、地盤ネット株式会社のnote版オウンドメディアを紹介します。2023年12月20日開設とまだ日が浅く、投稿数も少ないのですが、「47都道府県「いい地盤ランキング」は一見の価値があります。
地震大国・日本で暮らすからには知っておきたい情報がこれからも提供されるのではないかと大いに期待したいですね。

5-8.株式会社地域新聞社

https://note.com/chiikishinbun/

千葉・埼玉・茨城で毎週約200万部配布している地域密着フリーペーパー「ちいき新聞」の発行元である株式会社地域新聞社のnote版オウンドメディアです。
月ごとに注目記事をピックアップする「編集長が選ぶ今月の注目記事」は、単なる記事紹介にとどまらず、選考の理由や担当編集のコメントも記されており、記者と編集部の温かなつながりが感じられます。
地域情報の募集や記事を書くライターの募集も随時行っており、リクルーティングもかねたコンテンツ内容になっています。

5-9.株式会社プログリット

https://note.com/progrit

英語コーチングの「プログリット」と、サブスク型英語学習サービス「シャドテン」を提供する株式会社プログリットのnote版オウンドメディアです。
社員インタビューやイベントレポート、自社サービスの説明などのコンテンツが中心となっています。

その中で、「英語ってどう勉強したらいいの?プログリット流 『英会話の5つのステップ』と課題別学習法」というコンテンツが目に留まりました。
英語を勉強するうえでのポイントを解説しつつ、自社サービスがいかにそれに寄与するかを記しているのですが、自社のYouTubeサイトとリンクさせながら論を展開する構成になっているところに工夫が感じられます。

5-10.株式会社TORICO

https://note.com/toricoprhr

マンガを中心としたエンタメ領域のサービスを展開する株式会社TORICOのnote版オウンドメディアです。
人事採用担当の2名で書いているというだけあって、IRに関連した記事が目立つのは当然ではあるものの、より興味をそそられるのはおすすめマンガの紹介記事です。

担当者の趣味・嗜好が如実に表れている内容なのですが、企業の公式サイトでありながら、そういった属人性を楽しめるのも、オウンドメディアの面白さの一つといえるのではないでしょうか。

6.【番外編】Facebook、YouTubeによるコンテンツマーケティング事例

今回の調査では、コンテンツマーケティングの手段として多くの企業が活用しているFacebookとYouTubeについても運用状況を調査しました。
その過程で目にした工夫を感じられる活用法を行っている企業の中から、ブランディングに寄与するFacebookと、動画だからこそできるアプローチが光るYouTubeのそれぞれ3社の事例を紹介します。

6-1.DAIWA CYCLE株式会社

https://www.facebook.com/daiwacycle

自転車販売店を運営するDAIWA CYCLE株式会社のFacebook。
幼児向けのバランスバイクや電動アシスト自転車の試乗会の告知などがコンテンツとしてあり、購入を迷っている人の背中を押すきっかけとなりえそうです。
カスタム自転車の紹介は、他店にはない独自性を訴求することができそうです。電動アシスト自転車の選び方などの情報提供も潜在顧客の掘り起こしに寄与してくれることが期待できます。

6-2 株式会社T.S.I

https://www.facebook.com/profile.php?id=100057501036787

株式会社T.S.Iは、サービス付き高齢者住宅の運営を全国的に展開する企業です。
同社のFacebookでは、自社の高齢者住宅でのレクリエーションの様子などが写真とともに紹介されています。
住宅の明るく楽しい雰囲気が伝わってくる写真が多く投稿されており、入居を検討している高齢者やその家族はもちろん、現役世代でもリタイア後に住みたい住宅と思う人が多いのではないでしょうか。

6-3.タメニー株式会社

https://www.facebook.com/tameny1001

結婚相談所の運営や婚活パーティー「OTOCON」の企画および運営を行っているタメニー株式会社のFacebookです。
同社のFacebookではプレスリリースや、独自の調査に基づく結婚式のトレンド予測や「いい夫婦の日」に関するアンケート調査などが紹介されています。自社の業務と密接に関連したテーマでありながら社会性も兼ね備えた視点に好感が持てます。

6-4.株式会社グッドスピード”SUVといえばグッドスピード”

https://www.youtube.com/@goodspeedch

中古車の販売や買取を行っている株式会社グッドスピードのYouTubeです。「ハイエースとキャンピングカー専門店」と掲げているだけあって、チャンネルに登場するのももっぱらハイエースとキャンピングカーです。
購入前の確認ポイントや型式による違いなどを動画で詳しく解説しているので、これらの車の購入を考えている人にとっては大いに参考になりそうです。

6-5.弁護士ドットコム株式会社”弁護士ドットコム”

https://www.youtube.com/@user-pc4ws8pk7e/videos

法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」および税務相談ポータルサイト「税理士ドットコム」の運営会社、弁護士ドットコム株式会社のYouTubeです。
同社のYouTubeチャンネルでは、漫画での法律解説のほか、「パワハラ証拠の集め方」「相続放棄のやり方」「こじらせない離婚の方法」など、弁護士が分かりやすく説明しています。
実用的な情報が多く、法律に興味関心が深い人が楽しめるだけでなく、そうでない人であってもいざというときに頼りにできそうなコンテンツが揃っています。

6-6.株式会社Lib Work”LibWork Ch”

https://www.youtube.com/@Roomtour_LibWork

株式会社Lib Workは、注文住宅や都市型建売住宅の販売や施工を行う企業です。同社のYouTubeチャンネルでは、自社が手がけた物件が数多く紹介されています。
それも単に内外装を撮影するだけでなく、女性社員がガイド役を務めることで住宅訪問系のテレビ番組のように楽しめるのが特徴。
その手の番組が好きな人はもちろん、間取り図も掲載されているので、自宅の建設やリフォームを考えている人の参考にもなりそうです。

まとめ

オウンドメディアは、企業やブランドが自らのメッセージを独自の視点で発信し、ターゲットとなる顧客と直接的にコミュニケーションを取るために有効な手段といわれます。
顧客とのコミュニケーション以外にも社内のコミュニケーション活性化、採用活動の活性化などのさまざまな効果が期待できます。
だからこそ、企業の規模感に関わらず、多くの企業がオウンドメディアにリソースをさき、運用している実態が今回の事例調査でうかがえました。

本記事では数多くあるオウンドメディアの中から、当社で独断的に独自性を感じたオウンドメディア事例を紹介させていただきました。
今後もミモズカンパニーでは、オウンドメディアのオンライン調査やオウンドメディアの運用者へのインタビューを通して、オウンドメディアの事例を紹介していきます。 

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