E-A-T(Expertise、Authoritativeness、Trustworthiness)は、SEO(Search Engine Optimization)において高品質なコンテンツを生み出す鍵とされ、これまでの検索エンジンランキングにおいて欠かせない要素でした。これを実践することでwebサイトは高い評価を受けることができました。
しかし、2022年12月にGoogleは、検索品質評価ガイドラインの重要な変更を発表しました。この変更により、E-A-Tに新たな観点が追加され、それがE-E-A-T(Experienceを含む)です。E-E-A-Tは、コンテンツ制作者やwebサイト運営者にとって新たな評価基準となり、その理解と実践がSEOの成功に直結するようになりました。
本記事では、E-E-A-Tの解説と、E-E-A-TがSEOにおいて果たす役割に焦点を当て、実践的な対策方法を詳しく解説します。高品質なコンテンツを生み出し、ユーザーに価値ある情報を提供するためにE-E-A-Tについて理解しましょう。
1.eeatとは?
Googleの検索エンジン最適化(SEO)において、eeat(E-A-T)は非常に重要な考え方です。
eeatとは「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trust(信頼性)」の頭文字を表しており、これらの評価基準を満たすウェブサイトが、Googleから高評価を受ける可能性が高まります。
以下でeeat各々の要素について詳しく解説していきます。
1-1.経験(Experience)
経験は、コンテンツ制作者が特定のトピックにおいて持つ経験の豊富さを示しています。Googleは、ユーザーが信頼できる情報を得るために、コンテンツ制作者が特定のトピックに関連する個人的な経験を共有し、それをユーザーに還元することを高評価の基準としています。
例えば、テニスをしたことがない人が、コンテンツ上で上手くテニスをする方法をアドバイスしていても説得力に欠けますよね。自身で経験しているからこそ、ユーザーに還元できるような情報をコンテンツに盛り込むことが重要です。
コンテンツ制作者は、ユーザーにいかに分かりやすく自身の経験を伝え、ユーザーに追体験してもらえるかを考え、コンテンツを作成していきたいところです。
1-2.専門性(Expertise)
専門性とは、コンテンツ制作者が特定のトピックに関連する専門知識と技術の深さを示しています。Googleは、トピックに関する専門知識を持つコンテンツを高く評価し、ユーザーに価値ある情報を提供しようとします。
例えば、実際にマーケティングをしたことのない人が発信している情報は、本当に信頼してよいものかどうかは分かりかねますよね。一方で、実際にマーケティングに携わり、数々の実案件をこなしたことのある人の情報ですとその分、トピックについての知識が豊富ですので信頼しやすくなります。
また記事単位で専門性を担保することはもちろんのこと、メディアやドメイン単位でも専門性を担保する必要があります。同じメディアやドメインで全く異なる種類のコンテンツをあげていると、専門性が低いと判断されてしまいますので注意しましょう。
1-3.権威性(Authoritativeness)
権威性とは、コンテンツ制作者またはウェブサイトが特定のトピックにおいて信頼性のある情報源として認識されているかどうかを示します。Googleは、信頼性の高い情報源からのコンテンツを重要視し、ユーザーに信頼性の高い情報を提供することを優先します。
誰もが知り、信頼されているようなコンテンツ制作者やウェブサイトであれば、情報源としての認知度が高く、権威性も高いと言えるでしょう。士業や高度なスキルを必要とする専門職による執筆なども高い権威性があると言えます。ユーザーとしても、そのように権威性の高いところからの情報だと、安心して情報を受け取ることができるため、総合的にユーザーの満足度向上にもつながります。
1-4.信頼性(Trustworthiness)
信頼性とは、ウェブページの正確性、誠実性、安全性のことを指します。Googleは、ユーザーに正確で安全な情報を提供することを重視し、信頼性の高いコンテンツを評価します。そのため信頼性を高めるためには、事実確認と正確な情報提供に特に注意を払う必要があります。
誇張した表現でユーザーの事を騙すようなコンテンツは信頼性が低いと言えますし、エビデンスがしっかりしており、正しい情報に真摯に向き合っているコンテンツの信頼性は高いと言えるでしょう。
情報に誠実に向き合い、ユーザーにとって最高の検索体験を提供できるようなコンテンツ作成が信頼獲得に繋がりますし、結果としてGoogleからの評価も高くなり、検索順位が上がることにもつながります。
1-5.eeatと企業ドメインの関連性
eeatを考える上でドメインの強さも重要になってきます。
ドメインは、「被リンクの質や量」と「ドメインが取得されてからの期間)」が評価基準となります。つまり、多く質の良い被リンクを獲得しており、長期間運営されているドメインは、経験、専門性、権威性、信頼性、その全てにおいて高評価を受けられる可能性が高くなります。
そういった点で、新しくメディアを立ちあげるなどであれば、既に自社のノウハウや経験が蓄積されている既存ドメインのサブディレクトリで始めることが、eeatの観点から有効になってくるでしょう。
2.eeatとYMYLの関係性
GoogleのSEOにおいて、eeat(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness)とYMYL(Your Money or Your Life)は、ウェブサイトの評価に使われる基準ですが、それぞれ異なる点があります。
YMYLは「Your Money or Your Life(あなたのお金またはあなたの生活)」の頭文字を取ったもので、Googleは公式に
Some topics have a high risk of harm because conten about these topics could significantly impact the health, financial stability, or safety of people, or the welfare or well-being of society.
引用元:https://static.googleusercontent.com/media/guidelines.raterhub.com/ja//searchqualityevaluatorguidelines.pdf#page=11
特定のトピックがユーザーの生活や経済的な状況に影響を及ぼす可能性があると述べています。
そのようなコンテンツをYMYLといい、高い専門性と信頼性が求められます。例えば、ニュース・時事問題、公共サービス・法律、金融、ショッピング、健康・安全などがこれに該当します。
ユーザーの生活や経済的な状況に影響を及ぼすYMYLのようなコンテンツにおいて、「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trust(信頼性)」が揃っていることは必須条件となります。信頼性や影響の大きいコンテンツだからこそよりeeatが重視されるということです。
3.コアアルゴリズムアップデートの歴史
コアアルゴリズムアップデートとは、Googleが検索アルゴリズムのベースを大きく見直し、更新することをいいます。検索アルゴリズムの小規模な更新は毎日のように行われていますが、、コアアルゴリズムアップデートによる大規模な更新は年に数回程度実施されます。
これらのアップデートは、検索結果の質を向上させ、ユーザーに最適な情報を提供することを目的としており、サイトを適正かつ公平に評価し、ユーザーに良い検索体験を提供するためのものです。以下では、重要なアップデートを紹介し、その影響を明らかにします。
パンダアップデート (2011年2月)
パンダアップデートは、ウェブサイトの品質に焦点を当て、低品質なコンテンツを減少させるために導入されました。高品質なコンテンツを提供するウェブサイトが高評価を受け、低品質なサイトは検索順位が下がりました。これにより、ユーザーエクスペリエンスが向上し、信頼性のある情報が優先されるようになりました。
フレッシュネスアップデート (2011年11月)
フレッシュネスアップデートは、タイムリーな情報と最新情報に重点を置くアップデートです。特にニュースサイトやブログに影響を与え、最新の出来事に関連するコンテンツが検索結果の上位に表示されるようになりました。ユーザーはより迅速な情報にアクセスできるようになったアップデートです。
ペンギンアップデート (2012年4月)
ペンギンアップデートは、質の低いコンテンツの検索順位を、不正な方法によって上昇させるSEOを減少させるために導入されました。低品質な被リンクを使用し、ランキングを操作しようとするサイトはペナルティを受け、順位が下がりました。これにより、公平な競争が生み出され、ユーザーにとって有用な情報が提供されるようになりました。
ベニスアップデート (2014年12月)
ベニスアップデートは、ユーザーの位置情報を活用して検索結果を操作することを導入しました。これにより、地域に関連する検索クエリに対して、よりユーザーに寄り添った検索結果が提供されました。地元でビジネスをする企業にとっては、ローカルSEOの重要性が高まりました。
健康アップデート (2017年12月)
健康アップデートは、医療や健康に関する情報の品質向上を目指すアップデートです。信頼性のある医療情報が重要視され、誤った情報からユーザーを保護するために導入されました。
BERTアップデート (2019年10月)
BERTアップデートは、自然言語処理の技術を活用し、ユーザーの検索意図をより正確に理解できるようになりました。これにより、長いクエリや非標準的なフレーズにも適切な結果が提供され、ユーザーエクスペリエンスが向上しました。
これらのコアアルゴリズムアップデートは、Googleの検索エンジンをより最適化し、ユーザーにとって価値のある情報を提供するために実行されています。
ユーザーにとって最高な検索結果を提供するために、 Googleのコアアルゴリズムは常に進化し続けています。そのため、SEOに携わる人は、これらのコアアルゴリズムアップデートに柔軟に対応し、ウェブサイトの最適化を進める必要があります。
4 .経験(Experience)を高める方法
コンテンツに経験要素を加えるためには「著者がそのコンテンツに対して体験する」必要があります。例えば、あるテーマパークのお化け屋敷に関するコンテンツを、そのお化け屋敷に行ったことがない人が書いたとしても、そのお化け屋敷の恐さは伝わりません。実際に足を運び、コンテンツ制作者が体験することで、ユーザーにも追体験してもらえるような記事が書けるのです。
一方で、コンテンツ制作者が実際に体験することが難しい場合もあるでしょう。そのような場合は、経験者にヒアリングをおこないそれを基にコンテンツを作成するということも1つの手です。
いずれにせよ、コンテンツ制作者が実感をもち、ユーザーに追体験してもらえるようなコンテンツ作成が、経験を高めるためには必要です。著者やヒアリング相手の体験談や経験に基づいた感想や考え方などをコンテンツに盛り込むことで、Googleが要求している「経験に基づいた」コンテンツとなり、読んでくれたユーザーにも満足を得られやすくなります。
5.専門性(Expertise)を高める方法
専門性を高めるためには以下2つの方法があります。
- 特定のテーマに特化したサイトにする
- 各専門家に取材をし監修を依頼する
専門性の部分を疎かにしてしまうと、Googleからもユーザーからも評価されず、コンテンツそのものが粗悪なものになってしまいます。そうならないためにも、専門性を高めて良質なコンテンツに仕上げたいところです。
5-1.特定のテーマに特化したサイトにする
専門性を高めるためには、特定のテーマや分野に特化したコンテンツを作成することが必要です。特定のテーマに特化することで、コンテンツ作成者はその分野での知識と経験を積む機会を増やし、専門性を向上させることができます。
またメディアとしても特定のトピックに特化していると、Googleから専門性が高いという評価を得ることができます。中途半端に色々なトピックに手を出してしまい、情報量が浅くなってしまうと、Googleから専門性に欠けるという評価を受けてしまう場合があるため、注意が必要です。
5-2.各専門家に取材をし監修を依頼する
専門性を高める方法として、各専門家に取材を行い、その情報をコンテンツに取り入れるという方法もあります。専門家から直接情報を得ることで、コンテンツの信頼性と専門性が向上します。
また、専門家に監修を依頼することも一つの方法です。専門家の監修により、コンテンツの品質が向上し、Googleの評価基準に適合する可能性が高まります。ユーザーからしてもコンテンツを見た際に、知識のある人が監修していると安心してコンテンツを見ることができ、全体としての満足度も向上するので、非常に有効であると言えるでしょう。
6.権威性(Authoritativeness)を高める方法
本記事では、権威性を高めるための具体的な方法を3つの方法を紹介します。
- 記事の著者や監修者のプロフィールを詳細に記載する
- 大手メディアや公共機関に掲載される
- 公的なサイトから被リンクを得る
Googleのコアアルゴリズムアップデートの中で、権威性はサイトの評価において重要な要素となっています。権威性を高めることで、サイトの信頼性や評価が向上し、検索結果での順位も上昇する可能性が高まります。
6-1.記事の著者や監修者のプロフィールを詳細に記載する
権威性を高めるために、著者プロフィールを工夫しましょう。プロフィールには、読者に親しみを持ってもらうために趣味やプライベートなことを掲載する方がいますが、コンテンツの権威性を高める観点では、的外れな内容です。コンテンツの内容を、経験や専門性を持つ「誰が」書いたのか、または「誰が」監修したのかが、権威性を高めるのに大事なことです。著者や監修者のこれまでの経験や、現在の活動、保有する資格やスキルなどを詳細に記載するのがベストです。
6-2.大手メディアや公共機関に掲載される
知名度の高いサイトや、メディアに自身のコンテンツや情報が掲載されることは、そのサイトの権威性を向上させる効果的な方法の1つです。
具体的には、大手メディアや公共機関のプレスリリースの発信や専門家としてのコメント提供などで提携するなどの方法が挙げられます。
大手メディアや公共機関は多くの人々に信頼されており、そこに掲載されることで、自身のサイトも信頼される情報源として認識されやすくなります。
著者や監修者が、既に大手のメディアや専門情報サイトなどに執筆や寄稿などをしている場合には、該当記事へのリンクも掲載すると良いです。書籍などの刊行物、講演の実績などがあれば、プロフィールに詳細に記載しましょう。
6-3.公的なサイトから被リンクを得る
公的なサイトや権威のある組織からの被リンクは、Googleにおいて高く評価される要素の一つです。
これらのサイトからの被リンクは、そのサイトが提供する情報の信頼性や権威性を示すものとして認識されます。
公的なサイトから被リンクを得ることは、簡単な事ではありませんが、
提携や共同でのプロジェクトを進めることで、公的なサイトや権威のある組織から被リンクを獲得することが可能です。
7.信頼性(Trustworthiness)を高める方法
本記事では信頼性を高める方法として以下3つを紹介します。
- 引用・参考・出典元を表記する
- サイトをSSL対応にする
- Whois情報を公開する
信頼性は、ウェブサイトやコンテンツの評価において非常に重要です。ユーザーが情報を信じ、安全に感じることができるかどうかは、SEOの成功にも関わる要素です。ユーザーに信頼してもらえるようなコンテンツ作成を意識し、コンテンツの満足度を向上させましょう。
7-1.引用・参考・出典元を表記する
信頼性を高めるためには、引用・参考・出典元を適切に表記することが大切です。コンテンツ内で使用した情報やデータの出所を示すことで、ユーザーに対して情報の透明性を担保することができます。
また、正確な情報源を提供することで、Googleから高い評価を得ることができます。その際、go.jpドメインからの引用がおすすめです。go.jpドメインは日本を表すjpドメイン名のうちの1つで、セカンドレベルドメインに組織の属性を表す2文字「go」が入る、属性型jpドメイン名です。「go」は「government(政府)」の略で、日本の政府機関や各省庁所管の研究所、特殊法人、独立行政法人などが登録しています。そのため、引用元としての信頼性は高く、go.jpドメインからの引用は、ユーザー、Google双方から高い評価を得ることができるでしょう。
7-2.Googleサーチコンソールで指摘されているサイトの不具合を修正する
コンテンツそのものというよりサイトの信頼性を向上させるのが目的ですが、同じ内容のコンテンツであっても提供するサイトの信頼性によってコンテンツの信頼性も影響を受けます。そこで、Googleサーチコンソール(Google Search Console)の出番です。
Googleサーチコンソールには、インデックスの状況、ページの修正すべき箇所、ユーザーエクスピリエンスなど、サイトの信頼性を向上させるためのヒントや改善点が詰まっています。ある程度の規模の会社に属するコンテンツを管理する編集者の立場では、権限を持っていない場合も多いかと思います。システム管理者などに依頼して、コンテンツの信頼性を高めるには、サイトの信頼性も高めないといけないということを説明し、サイト自体の信頼性を高める活動にも目を向けてください。
7-3.サイトをSSL対応にする
各インターネットユーザーのOSに関係なく、問題なくウェブページを表示するための通信規格をhttp(Hyper Text Transfer Protocol)といいます。
そしてhttpsとは(Hypertext Transfer Protocol Secure)の略で、SSL(暗号化通信)によってセキュリティを高めたhttpのことを差します。httpsにすることで、通信経路での第三者による情報の盗聴や改ざんのリスクを防止できます。
つまりSSL(Secure Socket Layer)対応とは、httpをhttpsのように通信の中身を暗号化することで、第三者からの盗聴やデータ改ざんを防ぐことです。
もはやSSL非対応のサイトは、少ないですが、GoogleはSSL対応のサイトを評価し、上位表示に影響を与えることもあるため、万が一対応していない場合は、しっかりと対策したいところです。
7-4.Whois情報を公開する
Whois情報は、ドメイン名やIPアドレスを誰が所有しているのかといった登録情報を公開するもので、ウェブサイトの信頼性向上に役立ちます。ドメインの登録管理組織、ICANNにより、ドメインやIPアドレスを取得する際には情報を提供することが義務付けられています。
Whois情報を公開することにより、ネットワークトラブルの際にシステム管理者間で問題を解決したり、ドメイン取得申請時に登録済みドメインの情報を確認することができます。
このようにウェブサイトの運営者情報や連絡先情報を公開することで、ユーザーはサイトに対する信頼性を高め、問題が発生した場合に連絡を取りやすくなります。
またほとんどないとは思いますが、Whois情報を入力していない場合や、デタラメの個人情報を入力している場合、ドメインの利用制限がかけられて使えなくなるということも発生するので注意しましょう。
このようにサイトに対する透明性を担保しておくことは、信頼性を向上させる要素の1つです。
8.eeatを用いたSEO対策が成功した事例
ここまでeeatの基本情報から、eeatそれぞれの要素を高める方法について解説してきました。そしてこの記事を読んでいただいている方の中には、「実際にどのようにしてeeatを用いて施策を打ったのか知りたい」という方も多くおられると思います。
そこで以下では、筆者が実際にSEOマーケティングをおこなってきた中で、eeatを用いた施策が成功した事例を2つ紹介します。
- アパレルECサイトでの成功例
- マッチングアプリメディアでの成功例
「eeatのことは詳しく分かったけど、実際の成功事例が知りたい」という方は、ぜひ以下を参考にしてみてください。
8-1.アパレルECサイトでの成功例
アパレルECサイトの案件に携わった際、そのECサイトの運営するブログがなかなか上位表示されないという課題を運営企業が抱えていました。そこで分析を行ったところ、以下のような課題が見つかりました。
- ブログがアパレル以外のコンテンツについても触れていた
- ネットで見れば分かるようなコンテンツばかり発信していた
そしてこれら2つの課題に対し、eeatを意識した以下の施策をおこないました。
- (専門性)コンテンツの内容をアパレル関連のものに統一し、それ以外のコンテンツは削除する。
- (経験)コーデなどを紹介する際は、ネットでの拾い画ではなく、実際に編集部が着用した画像を載せる。
それぞれ詳しく解説していきます。
コンテンツを統一する
メディアの運営元がアパレルECサイトであるにも関わらず、食品や美容などアパレル以外のコンテンツを発信していました。
せっかく、本ドメインがアパレルに関して専門性を持っているにもかかわらず、アパレル以外のコンテンツを発信していては、その専門性を活かすことができなくなってしまいます。
そこで、アパレル以外のコンテンツを削除し、新規投稿もアパレル関連のコンテンツのみを投稿し続けた結果、その専門性が評価され、記事単位での評価はもちろん、サイト全体の評価を上げることができました。
実際に試着した画像を使用する
シーズン毎のコーディネートなどを掲載する際、フリー画像やブランド公式ページの写真を引用していました。もちろんイメージとして問題はないのですが、それではわざわざその記事を見る必要はなく、ネットでの焼き回しになってしまいます。
ユーザーが求めているのは、その記事でしか得られない追体験であり、リアルな声です。そこで、実際に服を購入、試着し、その写真をあげました。そうすることで、その記事でしか得られない体験を創出し、他の記事との差別化を図りました。実際に順位としても、その施策を実施した記事と、していない記事では順位に大きな違いが見られました。
8-2.マッチングアプリメディアでの成功例
マッチングアプリメディアのSEOに携わる機会があり、マッチングアプリメディアを上位表示させたい、というご依頼をいただきました。上位表示を獲得するためにそのメディアを分析した結果、以下の課題が見つかりました。
- 記事内で出てくる数字のエビデンスがない
- 記事内でのアドバイスの説得力がない
- 使用者の声が見えてこない
そしてこれら3つの課題に対し、eeatを意識した以下の施策をおこないました。
- (信頼性)go.jpドメインの情報を引用する
- (権威性)監修者の設置
- (経験)実際の使用者にインタビュー
それぞれ詳しく解説していきます。
go.jpドメインの情報を引用する
メディア上で「マッチングアプリを利用したことある人は○○%!」「○○%の人がマッチングアプリで詐欺被害にあったことがある!」など定量的な数値を用いて、表現している部分がありました。
定量的な数値で表現すること自体に問題は全くないのですが、その数値の引用元が競合サイトであったり、情報源が不明なサイトであったりしました。そのような脆弱なエビデンスで、ユーザーやGoogleから信頼してもらえるコンテンツを作成することは不可能です。
日本の政府機関や独立行政法人など、信頼できる情報源から引用することで、信頼してもらえるコンテンツに仕上げることができますので、go.jpドメインからの引用は非常に有効でしょう。
監修者の設置
メディア内で「より多くの人と出会うためには○○が有効です!」などユーザーにアドバイスをおこなう文言が多く見られました。ユーザーの悩みに沿ったアドバイスは有効ではありますが、中身だけではなく、「誰のアドバイスか」ということも非常に大事になってきます。マッチングアプリに詳しくない人からのアドバイスだった場合、何の参考にもなりませんよね。
そこでマッチングアプリに詳しいアドバイザーの方に監修を依頼しました。そして実際にアドバイスなどを伺い、それをコンテンツに反映させました。そうすることで情報に深みを出すことができ、コンテンツの権威性を担保することができました。
ただ周囲に監修を頼める人がいない場合もあるかと思います。そのような際は、TwitterやInstagramのSNSでコンタクトをとることが有効です。なかなか返信が来ない場合もあるのですが、多くの人にアプローチし根気よく続けていくことが大事です。
実際の使用者にインタビュー
マッチングアプリのメディアを運営するにあたり、私自身がマッチングアプリを使用したことがありませんでした。マッチングアプリのような使用に関してのハードルが低いトピックであれば、自身で使用するに越したことはありませんが、そのような場合ばかりではありませんよね。
そのような際は、実際にそのトピックについての体験を語ることができる人にインタビューを行うことが非常に有効です。自身で体験できずとも、そのような人にインタビューをおこなうことで、読者に追体験をしてもらえるようなコンテンツの作成が可能になります。
実際私もマッチングアプリを使用している方10名ほどにインタビューを行い、各アプリの良いところや悪いところなどのコンテンツを利用者の体験を元に作成しました。
まとめ
E-E-A-Tを意識した高品質なコンテンツ制作において、その評価がすぐに結果に現れるものではないため、長期的な取り組みが必要です。Googleはウェブサイトの品質に対する評価を重要視しており、その評価基準であるE-E-A-Tを満たすためには、時間と労力をかけて高品質なコンテンツを提供し、信頼性を構築する必要があります。
また、SEOは20年以上にわたり進化し続けていますが、根本的な原則は変わりません。ユーザーにとって有益な情報を提供し続けることが最も重要であり、SEOは単なるテクニカルな手法ではなく、Web戦略の一部として捉えるべきです。
最後に、E-E-A-Tはキーワードで上位表示を目指すために欠かせない要素です。ユーザーとGoogleの双方から信頼されるために、E-E-A-Tをしっかりと理解したコンテンツ制作をおこなうようにしましょう。
事業会社にてSEOメディアでのコンテンツ施策立案などに従事。テクニカルSEOなどが流行っている昨今、読者のニーズとは何かということを何よりも大事にし、コンテンツの質をとことん追求し業務を行っている。大学時代は文学部にて日本語文法を専攻し小説家サークルを主宰し文章力に定評がある。